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 暗い視界が恐ろしく思え、目を覆っている布を剥がそうと手を上げると、やんわりとそれを汰紀が押し止める。 「急に光を見ると、目が潰れるよ?」 「ぅ…… ひっ 」 「ほら、唇を開けて?」  水が足らず、ひび割れた唇に指が添えられ、侑紀はこくりと頷いて口を開けた。  そこが微かに湿り、反射的に舌で拭う。 「少しずつ、ね?」  また再び水滴が落ち、それを必死に舐める。 「…っ ぅ 」 「もっと欲しい?」 「ぁ… 、んっ」  尋ねられるままに、嗄れた声の代わりに舌を伸ばしてもっととねだる素振りを見せると、汰紀はまたふふと笑ってみせた。 「うまく舐めれたら、また上げる」  ふと鼻先に臭った牡の臭いに侑紀は咄嗟に身を引いたが、押し付けられたその先端が唇に押し付けられると、ゆっくりと口を開いて受け入れる。  柔らかなソレが、己の舌に触れた瞬間に硬度を変える不思議をぼんやりと感じながら、ゴクリと喉を鳴らした。  渇れた唾液が溢れる。  不味い筈の先走りが美味く感じ、一滴も漏らさぬようにすすり上げて飲み込む。 「美味い?」  答えの代わりに、侑紀はきつく芯を吸い上げる。  ちゅ…  くちゅり  くちゅり  ちゅ、ちゅぷ…  耳を打つ水音と、嘲笑にも似た笑い声が聞こえる中、深く喉の奥へと咥え込む。  初めて舌で触れた滑らかな皮膚、浮き上がる血管、微かに開閉を繰り返す割れ目に、苦い水。  けれど侑紀はなんの疑問も持たないままに、ひたすら頭を上下させ、溢れる滴を嚥下した。

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