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「──────!」
その瞬間感じた眩しさに、侑紀は息を飲んで瞼をきつく閉めた。
「俺には本も読めない薄暗さだけど、兄貴にはどうかな?」
「…っ」
目を押さえようとした腕に再び手錠を嵌めて拘束し、汰紀は侑紀の上に馬乗りになる。
「俺の言う事を聞く気が起きたなら、………そうだな 飲ませて下さいって言ってよ」
そう言い、カチリと音を立てて押さえつける腕に力を込めた。
チカッ
「っ!?」
それは一瞬過っただけの懐中電灯の明かりだった。
「左目が、失明する前に ね?」
瞼の上に、円柱が押し付けられる。
侑紀がそれが懐中電灯だと理解する前に、汰紀はスイッチを押した。
「いっ───── あああああああっ!!」
それは痛み。
瞼では防ぎきる事の出来なかった懐中電灯の光が網膜に届く。
打撲や、擦過傷の痛みとはまるで異質な痛み。
脳の裏に直接届くかのような強烈な明るさに、侑紀はの体が跳ね上がる。
「あああっ!!あーーーっぃ、あぁぁぁぁっ」
限界まで開けられた唇が裂け、ピシリと音がした。
「やぁぁっ!!やっあぁぁぁぁ!!」
畳を掻きむしる。
汰紀を掻きむしる。
けれども光は消されず、痛覚の無い痛みが視神経を焼いていく。
「いーーーっ!!ぁぁぁぁぁあっいっ がっ ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁっ」
防ぐ術もなく、視界が苦痛の光に満たされ、侑紀は痩せ細った体を暴れさせながら言葉にならない言葉を叫び続けた。
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