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「亡 く …?」
「三ヶ月ほどになるかな」
虚だった目がみるみる見開いて行き、はっと光が差す。
「な、んで?連絡してこなかった!?」
「連絡先を知らなかったからね」
さらりと言い、脈を取る為に腕に触れた。
「 ゆっくり話す事もなかったし、ちょっと話す?」
傍らに腰を下ろし、畳の上に横たわるしか出来ない侑紀の髪に指を差し入れる。
擽るように撫で、端整な顔を微笑ませた。
「髪を触るのは、情事後の行為なんだって」
「ふざ、けんなっ……おや じは、なんで死っ んだんだ?」
「事故だよ。呆気ないもんでね」
髪の間を縫っていた手がするりと耳朶に降り、柔らかく弄ぶ。
切れ長の目が細められ、その視線を追うように指先が首筋へと移動していった。
「 そ、ん…」
「それで、今はこの家に独り暮らし。あ、兄貴が居るから二人暮らしか」
くにっと指が胸の尖りを潰す。
「や、っめ… っ」
「感じる?」
「ふざ っけんなっ!…じゃ、田舎の家は 」
「田舎の家はここだよ」
は?と聞き返そうとした言葉は、汰紀が与える刺激に飲み込まざるを得なかった。
「 兄貴は知らないだろ?ここの事」
手を休めないまま、ぐるりとこの部屋を見渡す。
「やっ 手…っ止めっ!!」
「うん?感じるから?」
「違うっ」
「じぃさんがさぁ、教えてくれたんだ。 たぶん…」
ぎゅっと乳首を摘まみ上げられ、侑紀は下唇を噛んで声を堪える。
汰紀はそれを見て薄く笑いながら、身を屈めて侑紀の耳朶を口に含んだ。
「俺ん中の、狂気に気付いてたのかなぁ?」
くちゅ…と粘着く水音が脳を揺さぶった。
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