35 / 62
34
手の拘束と足の紐をほどくと、汰紀は窺うように片眉を上げた。
試すような表情にむっとするも、侑紀はよろりと座り直して手を伸ばす。
「 座れよ」
ぶっきらぼうな物言いに苦笑するも、汰紀はその場に腰を下ろした。
逡巡…
汰紀のスラックスをずらし、中から熱く脈打つモノを掴み出す。
拉致されてから幾度、コレに穿たれたかを思い出そうとして出来ず、侑紀は小さく笑った。
舌先で亀頭に触れ、その塩気に怯む。
「 …ちゃんと洗ってんのかよ」
「兄貴のよりはね」
皮肉な言葉に、けれどそれ以上言い返す事もせずに大人しくそれを咥えた。
噎せる事なく喉の奥まで招き入れ、咥内すべてを使って刺激すると、あっと言う間に質量を増す。
吐き出していた苦い汁を嚥下しても、顔をしかめる事もなくなっていた。
「もういいよ」
「…………」
「何?バイブでイキ地獄がいい?」
ニヤリと笑う汰紀に慌てて首を振って見せ、侑紀は視線を合わせないままに汰紀の腰を跨いぐ。
弟の視線をひしと感じながら、イキ過ぎて笑いだしそうな膝をゆっくりと折った。
先端の熱が、熟れて腫れ上がった入り口へと当たる。
「…ぁ……んんっ」
自ら入れる行為に、羞恥を感じたのか侑紀の顔が赤く染まっていく。
「柔いね」
「っ!!」
「すっかり『女』だよね?」
ふふ と笑う声に涙を滲ませながらも、唇を噛んで腰を落としきる。
「う ─────っ…」
漏れる声を堪える為に息を詰め、反射的に流れ出た涙を拭おうとした。
ともだちにシェアしよう!