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「無理 じゃないよ?ねぇ、宿してよ。俺の子供」  汰紀の突き上げに震える腹筋を掌で撫で回し、うっとりと笑う。 「此処に、俺と兄貴の…」 「 何  バカな事…」  長い指が侑紀の髪の間に差し込まれ、ゆるりと頭皮を撫でて行く。  ざわざわとするその感触に侑紀が首を振るも、込められた力がそれを許さなかった。  ただなすがままに繰り返される愛撫を受け入れている侑紀の口元に、汰紀が顔を近付ける。 「キスしていい?」  以前にもされた問い掛けに、震えながら拒否を示す。  けれど…  柔らかな唇が軽く啄む。 「兄貴、好きだよ」  深い感慨を込めた声が熱く耳元で囁く。 「…ぁ?」 「閉じ込めて、壊して、…俺以外の事を考えさせたくない」 「おま、え…何言って……」  小さい頃から変わらない、何を考えているか分からないような端整な顔が穏やかに笑う。  笑っている筈なのに、飛び出す言葉はねっとりとした暗さを帯びていった。 「他に目を向けられる位なら、殺したい。 …そうしたら、俺以外見ないだろう?」  薄紅の舌が歯列から覗き、侑紀は顔を口付けられるのかと唇を噛み締めた。  細やかなその抵抗を擦り抜けて侑紀に口付ける。 「俺以外の事、考えないでくれる?」  固く目を閉じ、震えて返事をしない侑紀の頭を押さえ付け、瞼を抉じ開けて覗き込むと、抗う瞼の奥に汰紀自身が映り込んでいた。 「俺以外、見ないでくれる?」  舌から滴る唾液が、銀の糸を引きながら睫に触れ… 「じゃないと、抉るよ?」 「───ひ…っ」  唾液の絡んだ舌が眼球を撫でる。  粘膜に覆われ、つるりとした表面をざらりとした舌がやわりと這った。 「ぃ…あっアアアアァァァァっ」  自身でも触れる事のない部分を舐められ、侑紀の口から悲鳴が上がる。

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