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「俺の物だよ。兄貴のナカに出した精子が、細胞一つ一つに染み渡ってさ 俺のだって言ってるの」
「言う訳ねぇだろ!」
そう言って汰紀を押し退けようとするも、ナカを擦られて叶わなかった。
「ふぅ…っ……」
「堪えずに、声出してよ」
震える唇を噛んで首を振る。
「媚びておいた方が良いんじゃないの?」
「ぅ…う……?」
「今日は台風が来てるんだ。覚えてない?この辺りはすごく停電しやすい」
額に汗を浮かべながらも汰紀の笑みが深まって行く。
「ここが停電したら…どうなるかな?」
匂い立つ梅、
飛び出した蝶、
うねる蛸、
羽ばたく鳳凰、
…こちらを睨む、龍。
「―――――ぃ、っ!!」
ざわざわと体を駆け上がった悪寒に記憶の蓋をこじ開けられ、侑紀の顔から血の気が失せる。
「い、い…ゃ……だ………」
がちりと歯の根が合わずに音を鳴らす。
以前に行われた陰湿にして凄惨な体験を思い出して侑紀は震えて汰紀に縋り付いた。
汰紀はその手を取り、優しく口づけて囁く。
「傍にいて欲しい?」
悪魔のような声に、けれど侑紀は呻くように頷いた。
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