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「気持ちいい?」 「分からない……けど……」  切ないような苦しいような気分の中に、甘い快感があるのを初めて実感した。これはなんだろう。そう思っているうちに、下半身に熱いお湯が流れ込むような感覚が襲ってきた。苦しい……。お腹がパンパンに張る感じがする。 「いきそう?」 「行くってどこへ?」 「なんか出そう?」 「よく分からないけど……苦しい。痛い気もする」  藍沢は握っている手のスピードを速めた。そうされると体がビクビクと痙攣した。自分でももうどうしていいのか分からない。何かを漏らしそうな気がして、目尻に涙が滲んだ。 「やめて……変なんだ。おしっこ出そう」 「あはは。大丈夫だから。おしっこじゃないやつ、出してみな」  きゅっと絞られて意識が飛んだ。蛹の先端から白い液体がぴゅっぴゅっと飛び出した。その瞬間、あまりの気持ちよさに泣いてしまった。性器の中を熱い鉄の球が駆け上がるような感覚がして、すぐに体が浮くような気持ちよさと、気が遠くなるような気持ちよさが襲ってきた。 「ほら、見てみろ。パンツと同じやつが出てるだろ? これが精液だ」  はぁはぁと肩で息をしながら藍沢の言葉を聞いた。声は聞こえたが言葉の意味は分からなかった。今まで感じた事のない快感と恥ずかしさで体中が溶けそうになっていた。 「あはは。なんかおまえ可愛いな。女みたい」  そう言うと藍沢は顔を近づけ、俺の唇にそっとキスした。先をくっつけるだけの幼いキスだった。確かめるように押しつけた後、離すと藍沢は笑った。ふわりと自分のものではない藍沢の匂いがした。 「これからは自分でするんだぞ」  俺はズボンと下着を下ろしたままの姿で、目に涙を浮かべながら頷いた。

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