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第4話 - 2

「先生。鈴木さん、嬉しそうでしたね」 「そうだね。合コンで知り合った人と、これからデートだって言っていましたよ」 「なんかそれ、ボク信じられないんですけど。 鈴木さんは大好きだけど、あの恰好で、合コンでモテますかね?しかも、合コン初めてだって言ってましたよね、それで即デートとか。まさか騙されてるんじゃ……」 「ふふふ 運命の相手かもしれないよ?」 運命の相手、ねえ…… 鈴木さんには幸せになってほしいけど、人がよすぎるところがあるし、なんだか心配だ。 それから3週間ほどして、店に来た鈴木さんを見て、ボクは腰が抜けそうになった。 というか、声を聞くまで誰だか分からなかった。 「えっ?!鈴木先生!?ホントに鈴木先生なの??」 そこには、別人といっていいほど見違える、美男子の鈴木さんがいた。 何より驚いたのは、頭だ。 ってか、髪! ふさふさで少し長め・ゆるいウエーブで自然な茶系の色の、今風のヘアスタイルになっている!もともと綺麗な顔をしていたので、恐ろしく似合っている。 スーツも新調したようだ。サイズがぴったり合ってスタイルが良く見える。 服装だけじゃない、体系も変わっている。腹回りがスッキリして、肩や胸のラインも明らかに違う。 靴も新しく、品のいい艶を放っている。ソックスの色も、靴とボトムに合わせた抑えた色味だ。 まるでドラマの主人公みたい。蘆屋先生も目を丸くしている。 「ハハハ どうだい、ルイ君。びっくりした?似合ってる?」 優しい笑顔にも、自信が加わったのだろう、健康的な力強さが感じられる。 「何があったの、先生?すごいよ!すごくかっこいい!」 「少し体形、変わっただろう?ジムに通い始めたんだよ」 ボクと先生は、鈴木さんの、この3週間の出来事を聞いた。 3週間前、店を出た後、鈴木さんは、約束していた女性と会った。ユキコさんというそうだ。 ユキコさんは、待ち合わせ場所で再会するなり、 「鈴木さん、あなたは、絶対に、みんなが振り返るほどカッコよくなれる人です」 と、まっすぐに目を見て熱く、鈴木さんの両肩を、ワシっという感じで掴んだらしい。

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