25 / 88
第7話 - 2
「こんちはっ!
いやぁ~前回は全然話し切れなくて、ホントすみませんでした! 今日はちゃんと話しますんで。よろしくお願いします」
今日も明るく元気な石井さんの登場だ。
っていうか、前回あれで『全然話し切れてなかった』のか。
それにしても楽しそうだな。相談というより、単におしゃべりに来ているみたい……。
蘆屋先生はいつも通り。穏やかな表情で彼を迎える。
早速、石井さんの話が始まった;
それがですねぇ、前回からすごい進展があったんですよ! 先輩と僕、付き合うことになっちゃいまして!
え? ええ、そうなんです。
ノンケでもゲイってわけでもなかったというか、恋愛自体慣れてなかったらしいです。意外ですよね!思い切って押してみて、本当によかったです~、はい。
きっかけですか? それがですねぇ、聞いてくださいよぉ!
ボクが、先輩はホントは女性経験ないな、と見抜いたんです。話聞いてて「へ?」って思う事がありましてね。そこから一気に色々分かっちゃったってわけです。
それはですねー、ある日先輩が、
「女っていうのは頭をポンポンされると弱いから。ポンポンしときゃ、落とせる」
って言ったんですよ。
それ聞いて、あれ? おかしいな、と思ったんです。だってねぇ、頭ポンポンされて喜こぶ女子なんて僕のまわりにはいませんから。
ああ僕、女友達が多いんですよ。
そんな女、今時いませんって!
けど西村君は真面目ですから。その通りやって、結果、大失敗! 僕、現場にいたんですけどね。「ちょっとやめてよ!」って本気で嫌がられてました。
絶対嫌がるだろうなーとは思ってましたけどねー! 逆に、本当にやっちゃうんだ、ってびっくりしましたよ。せっかくうまくいきかけていたのに。
いやぁ~、頭ポンポンとか、ホントないですよね~! 西村君には可哀そうだけど、僕はもう可笑しくなっちゃって、笑い堪えるのが大変でした!
ともだちにシェアしよう!