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第11話 - 3
翌日、学食で圭太くんとユミちゃんに会った。
「なあルイ、食べものに気をつけろって何? 学食のご飯は食っていいんだろ?」
圭太くんが心配そうに言った。
「うーん、よくわかんないけど、学食とかはいいんじゃないかな。
蘆屋先生がすごく気にしていてさ。
差し入れとか、手作りのものを食べるなって言ってた」
ユミちゃんが不思議そうな顔をした。
「ルイさん、それどういうことですか? 何かあったんですか?」
ユミちゃんは聞いてないのか。言っていいのかな?
圭太くんを見ると、うなずいて説明した。
圭太くんと海斗くんの金縛りのこと、
海斗くんが2週間以上もお腹を下していること、
海斗くんの事故のこと、
海斗くんは誰かに押されたと言っているけれど、目撃者情報では単独事故だということ。
ユミちゃんの表情がどんどん真剣になっていく。聞き終わると口を開いた。
「私も金縛りに合ってるんです。この何週間か。
疲れてるのかナーと思ってたんですけど、動けない間すごく怖くなるんです。
もしかして金縛り?って思ったんですけど、こんなの初めてだし、どうしていいか分からなくて。でも今聞いて私のも絶対同じですよ、金縛りだわ。気持ち悪いですね」
「えっユミちゃんも?」
「今日もバイトだから、蘆屋先生に聞いてみるよ。とりあえず、ユミちゃんも食べものに気をつけてね。誰かにもらった物は食べないように」
「わかりました」
「海斗くん大丈夫かな。伝わってるかな」
「私、今日海斗さんのお見舞いに行くから言っときますよ」
「そうなの? じゃオレも行こうかな」
「トモちゃんが私と2人で行こうって言ってたんですけど。まあ圭太さん一緒でもいいと思います」
「なんだよそれ。じゃオレ、トモちゃんにメッセージしとくわ」
相変わらず仲良しなんだな。
その夜、圭太くんから電話が入った。
ボクは恋愛セラピーの後、夜のバーのバイトに入っていた。先生にことわって奥の部屋に引っ込んで電話に応じた。
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