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第11話 - 8

ちょっとキツい話になってきたな…… 話題変えたい。 話題、話題っと…… そうだ、アレがあった! 「そういえばユミちゃん、圭太くんたちとサーフィン行ってるんだって?」 「え? うん、そうそう。圭太さんが誘ってくれてネ、海斗さんと三人で。すごい楽しいよ! 行き帰りの車の中もずーっと楽しいの!  途中で美味しいもの食べたり、温泉入ったりネ。 あ、もちろんサーフィンも面白いんだヨ!  だけどね、圭太さんと海斗さんが面白いの! だから一日中ずーっと笑ってる。あの二人ってホント仲いいよね~! もういっそあの二人が付き合っちゃえばいいのに。あの二人なら応援するよ私は。 ルイくんだから言っちゃうけど、私 BL 好きなの。あの二人のカップリングは全然アリ。っていうか推したい。トモちゃんより全然いいよね。私は断然あの二人を応援する!」 「へ、へええ。ユミちゃん BL 好きなんだ」 な、なんかユミちゃんて、圭太くんに聞いてたのと感じ違うな……  いや「妹」ってこんな感じなのかな? グイグイ来る感じの圧はウチの姉さんや母さんと似てる気がするけど…… 「うん! 女子校じゃBLは当たり前だよ!  ルイくんはどう思う? あの二人アリじゃない?」 「圭太くんと海斗くんねぇ……」 ボクは、圭太くんが恋愛セラピーに最初に相談に来た時の事を思い出していた。 圭太くん、トモちゃんとユミちゃんの間で揺れてた気がするけど、最終的には確かに海斗くんと一緒にいたいって言ってたな…… 「合ってるよね、あの二人!っていうかルイくん、トモちゃんの事はマジどう思う?」 トモちゃん、か。 あの短い時間じゃなんとも言えないけど。 でもそんな、美人とか綺麗とかいう印象はなかったなぁ…… 「うーん、どうっていうほど一緒にいなかったじゃない? よくわからなかったよ。敢えていうなら、怖い?」 「えー? 怖いー? まあでも、今日のあの態度はひどかったよね」 「まあ、ボクはよく知らないからなんとも言えないけど」 あ、思い出した。 「先生、そういえばボク今日お菓子預かって来ました」 ボクは、トモちゃんが海斗くんに差し入れたクッキーの包みを差し出した。 「私にですか?」 「そうなんですけど、でもこれは……」 「トモちゃんが海斗さんに作って来てたんです。手作りの物とか食べちゃダメなんでしょう?」 トモちゃんが横から捕捉してくれた。 「なぁんだ、私へのプレゼントかと思ってしまいました、残念!  なぁんて。わかりました、こちらで預かりますね。  ユミさんも、海斗くんも圭太くんも、その後変わった事はありませんか?」 「はい、最近は大丈夫です。  っていうか先生。そのトモちゃんのお菓子、何かおかしいんですか? 毒入りとか?」 ボクもそれ、気になってた。 先生は一瞬「話そうかどうしようか」みたいな迷った顔をしてから口を開いた。 「いやまぁ、そうですねぇ。  言ってみれば『念』といいますか。口から入ると厄介なのでね。だからユミさんも、引き続き食べものには注意してくださいね」 「先生、それって、トモちゃんの怨念とかなんですか?」 「ユミさんの可愛らしい口からそんな言葉が出てくるなんて予想外ですね」 「ええー先生、怖いー」 「海斗くんが退院したら、三人一緒に来てくださいね。その時お浄めしましょう」

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