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第15話 - 8
「は? やだよ」
「え、いいじゃん。やろうよ」
言うが早いかケイが俺にのしかかって素早く組み伏せる。
「おいやめろってば…… アッ」
ハッ ケイの手が俺の股間にのび、指でたどりだす。
うわぁなんだコレ
へろへろ力が抜けてくる。
「ねえカイ、いいだろ? ほら、もうこんな勃ってんじゃん」
「アッ そこ…… あ、チョット待って……」
ああ、もうダメだ……
気持ち良すぎる
他人の手ってこんな気持ちいいのか……
「どう? ここ、この裏ンとこ気持ちいいだろ」
「うぁぁ やめろよぉ 変な声出るぅ……」
「変じゃないよ、イイよ。声出して。
あ、もうイッちゃったの? 早ぇーな」
一瞬の空白。
その後いろんな思いで頭がいっぱいになる。
はぁーーーー なんだコレ。気持ち良すぎだろ。
同時に、なんかもう、スゲーいやになる。
ああ何やってんだ俺。恥ずかしすぎる……
何してくれンだよカイよぉ……しかも「早ぇーな」だと!? なんでコイツにそんなこと言われなくちゃなんないんだ。
ああでも、気持ちイイ~!
俺、今まで嘘ついてましたゴメンナサイ。ハイ童貞でした。見栄張ってました。こんな気持ちいいなんて知りませんでした。いや手コキだから正確にはまだ卒業はしてねーか。まーまーそれはともかく。マジなんでこんな気持ちいいんだろう。
「カイ、そんな良かった? へえー 童貞だったんだー」
「え? おまっ…… え、なんで?」
「今自分で言った。お前、結構、心の声そのまましゃべってる」
「うそ、マジで? うぉーーー恥ずっ……」
「お、カイまた勃ってる。もう一回する? 俺まだイッてねーし」
「お、おお、俺だってまだまだイケるぜ! ほら今度は俺がやってやンよ! やらせろ!」
「はは、カイ面白れ~! いいぜ、受けて立つ!」
「っしゃぁーーーー!! 行くぞケイ!」
今度は俺がカイにのしかかった。
もう俺はどうでもよくなってきた。いろんなことが。
とにかく気持ちいいし楽しいし。ああ気持ちイイーーー。
そうして俺らは発情期の動物のようになった。
あーーーー楽しかった。こんなに楽しいのな、男同士って。面白れーな。
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