11 / 31
第11話
冷え切った灰色の部屋が少しずつあたたまってきた。男はジュリアンの赤いフード付きのマントを脱がせた。
「うん、思ったより、ずっといいな」
男は、ジュリアンの顔を見て、一瞬、驚いたように、そして、満足気につぶやいた。
「黒髪か。いいな。きれいな髪だ。もっと伸ばしたらいい」
男は、ジュリアンが履いている、チャコールグレーの、ごわごわした重いウールのスカートをまくりあげた。男は舌打ちをした。スカートの下にうんざりするほど幾重にもペチコートを履いていたからだ。男は一つ一つ花びらのようにめくりながら、次第に違和感を覚えている顔つきになった。最後に細い脚が二本あらわれた時、その付け根の膨らみを見て驚いたように言った。
「お前、男だったのか?」
ジュリアンは黙って頷いた。
「まあ、いい。俺は、気にしない。お前、尻は使えるんだろう?」
ジュリアンは、再び小さく頷いた。
「じゃあ、来いよ」
男は、部屋の片隅のベッドにジュリアンを呼んだ。男はジュリアンの衣服を脱がせた。シュミーズとドロワーズ姿にまですると、男は、ジュリアンの身体を触りはじめた。男は、鼻息荒く、手でまさぐった。
ともだちにシェアしよう!