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第11話

 冷え切った灰色の部屋が少しずつあたたまってきた。男はジュリアンの赤いフード付きのマントを脱がせた。 「うん、思ったより、ずっといいな」 男は、ジュリアンの顔を見て、一瞬、驚いたように、そして、満足気につぶやいた。 「黒髪か。いいな。きれいな髪だ。もっと伸ばしたらいい」 男は、ジュリアンが履いている、チャコールグレーの、ごわごわした重いウールのスカートをまくりあげた。男は舌打ちをした。スカートの下にうんざりするほど幾重にもペチコートを履いていたからだ。男は一つ一つ花びらのようにめくりながら、次第に違和感を覚えている顔つきになった。最後に細い脚が二本あらわれた時、その付け根の膨らみを見て驚いたように言った。 「お前、男だったのか?」 ジュリアンは黙って頷いた。 「まあ、いい。俺は、気にしない。お前、尻は使えるんだろう?」 ジュリアンは、再び小さく頷いた。 「じゃあ、来いよ」 男は、部屋の片隅のベッドにジュリアンを呼んだ。男はジュリアンの衣服を脱がせた。シュミーズとドロワーズ姿にまですると、男は、ジュリアンの身体を触りはじめた。男は、鼻息荒く、手でまさぐった。

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