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1-03-1 手を繋ぎたい(1)
「ああ、今日の雅樹もカッコよかったな……」
僕は、ベッドに入り天井を見つめる。
雅樹の笑顔が目の前に浮かぶ。
「ムフフ」
でも……。
もう何度もデートを重ねた。
付き合う前よりも、どんどん好きになっていく。
雅樹の事が好きで好きでたまらない。
ただ……。
ひとつ問題がある。
男同士だから……の問題。
そうなのだ。
実は、未だキスどころか手も繋げていない。
「あーあ、手を繋ぎたいな……」
周りの目もあるし、何より知り合いに見られるのが怖い。
だから、雅樹は人目がある所では並んで歩く距離にさえ気を使う。
つい最近のデートでも危ない思いをした。
ゲームセンターに二人でいる所をクラスメイトに見つかってしまったのだ。
「なんだお前たち、すげー仲良さそうだな? まさか付き合ってたりして? なんてな、冗談、冗談! ははは」
慌てて、偶然だって誤魔化したけど、あの時は正直生きた心地がしなかった。
「はぁーあ」
ため息が漏れる。
それに……。
普通のカップルなら、ドキドキしながら距離を詰めてやがて手を繋ぐ。
そんなもどかしさも、恋愛の楽しさのひとつだろう。
でも、僕は違う。
もう、雅樹の大事なところを知っているんだ。
そう、雅樹のペニスをフェラしたんだ……。
思い出しただけで、体の芯がじんじん熱くなってくる。
雅樹のは、固くて、おっきくて、熱いんだ……。
ああ、口に含んだ時の興奮が蘇る。
はぁ、はぁ。
僕は、パジャマのズボンをずり下げ、そして、パンツの中から固くなったものを取り出す。
だって、雅樹がいけないんだからね!
僕は、目を閉じた。
「めぐむ、口を開けてごらん」
「うっ、うん……」
うぅ、ゴホッ、ゴホッ……。
「ほら、ちゃんと口を開けないから」
「ごめんなさい、雅樹。あーん」
「よし、良い子だ」
雅樹のペニスが、僕の口にずっぽりと挿入される。
僕は、うーうー言いながら、ピチャピチャと音を立てて舐め始める。
ペニス君、いらっしゃい、僕の所へ。
さぁ、今日も気持ちよくさせてあげるからね!
ビクン、ビクン……。
雅樹は、僕の愛撫に敏感に反応する。
どう?
僕のフェラ気持ちいいでしょ?
「はぁ、はぁ、めぐむ、気持ちいいよ、最高だ、めぐむ……出ちゃいそうだ」
クスっ。
もういきそうなんだね。
「出して、雅樹。僕のお口の中に、たくさん! んっ、んっ」
「いくっ!」
雅樹のペニスは、痙攣しながら、精子を飛び散らす。
僕は、残らず口で受け止める。
「はぁ、はぁ、雅樹のミルク美味しい……」
「ちゃんと、全部飲むんだぞ」
「うん……ごくっ」
「よしよし」
「えへへ」
雅樹は、僕の頭をいい子いい子してくれる。
「じゃあ、次はめぐむの番だ。ほら、ペニスを出してごらん」
「うっ、うん!」
僕が突き出したペニスを雅樹は無造作にギュッと握る。
そして、激しくしごき始めた。
「ダメ、雅樹、そんなに乱暴にしごかないで……」
「何言っているんだ? こうすると気持ちが良いんだろ?」
雅樹は、さらに激しく僕のペニスをこねくり回す。
「はぁ、はぁ、痛いよ、でも、気持ちいい……」
「ははは、痛いのに気持ちいいのか? めぐむは、エッチだな」
「はぁ、はぁ、そっ、そんな事ないもん! ああ、雅樹。いくっ」
ドピュ!
熱いものが溢れ出す。
ああ、いってしまった……。
ペニスの先は白い液体でぬるぬるしている。
そして、尚もビクンビクンと小刻みに痙攣を続ける。
はぁ、はぁ。
気持ちいい。
たくさん、出ちゃった……。
最近の僕の妄想の中の雅樹はどんどんエッチになっていくな。
クスっ。
ふぅ。
それにしても……。
「せめて手を繋ぎたいな……」
ぼんやりと宙を見る。
「よし、こうなったら意地でも手を繋いで見せる!」
僕は、こぶしをギュッと固めた。
次のデートの日がやってきた。
「ねぇ? 雅樹、どう、ここ?」
「凄いな、知ってはいたけど、こんなにでかいんだな」
「でしょ!」
僕は、得意になって雅樹を案内する。
目の前にあるのは、大型のショッピングモール。
ここは、いつもデートで遊びにくる美映留中央駅から10分程歩いた所。
国道沿いで、ターゲットはファミリー層。
それに、駅からだいぶ離れているので、学生がわざわざここまで来ることはない、はず。
というのも、僕も初めてきたのだ。
雅樹と手を繋ぐためには、まず第1の問題。『知り合いに見つかってしまう危険性』
これを、解決する必要がある。
そのために、僕は、ネット検索を駆使してここを探し出したのだ。
雅樹を見ると、「おお、こんな穴場があったんだな! これなら誰にも会わなくて済みそうだ!」
と嬉しそうに微笑んでいる。
ふふん。
よしよし。
まずは、第1関門突破。
さて、次の第2に問題は、『周りの目を気にせずに男同士で手をつなぐ』だ。
これは強敵。
まだ解決策が思い浮かんでない。
やっぱり、偶然に手をつないじゃう。
これしかないと思うんだ。
そうすると、エスカレータの手すりでタッチ、はどうか?
まてよ、エレベータのボタンを一緒に押しちゃうってのはどうだろう?
うーん。
どうも、決め手にかけるな……。
「なぁ、めぐむ。何を難しい顔しているんだ?」
「えっ? なっ、なんでもないよ」
「そっか?」
「そうだよ、あはは……」
ちらっと、雅樹の手をみる。
大きくて、あったかそうだ。
待っててね。絶対に繋いでみせるから!
「なぁ、めぐむ。早くいこうぜ!」
「うっ、うん!」
僕達は、ショッピングモールへと入っていった。
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