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1-12-2 年下の男の子(2)

お風呂を上がり、僕とユータはパジャマに着替え、リビングでくつろぐ。 ただ、両親は、ユータが可愛くて仕方がないようで、質問攻めが続く。 僕はユータが可哀そうに思い、もう寝るからと、僕の部屋へ連れ出した。 ユータは、僕の部屋でさっそくゲームを始めた。 すぐに夢中になる。 両親の前では、おくびにも見せなかったけど、ゲームをしたくてうずうずしてたに違いない。 ユータは偉いな、と率直に思う。 たまに幼稚園生とは思えない面を見せる。 僕が幼稚園の時はどうだっただろう? よく覚えてないけど、もっと我儘だったのではなかったか。 ふと、時計を見た。 ああ、そろそろ本当に寝る時間だ。 寝る準備をしないと。 僕は、ユータに声をかける。 「さぁ、ユータはベッドに行って!」 「うん。分かった」 ユータは、ゲームの画面を見ながら、僕のベッドに移動する。 「あーあ、やられちゃった!」 ユータは、万歳してゴロッと寝転ぶ。 「ははは、じゃあ、寝よう!」 僕は、テーブルをしまって布団を引いた。 ベットに寝転ぶユータに話掛ける。 「本当に一人で寝れるの? お兄ちゃんもベットで寝た方がいい?」 「大丈夫! いつも、一人だもん!」 「本当に?」 「本当!」 ユータは口を尖らす。 「そう? じゃあ、夜中、おしっこ行きたくなったら起こしていいからね」 「うん!」 んー。 寝苦しい。 僕は、胸の辺りに圧迫感を感じて目を開けた。 枕元に置いたスマホを手に取る。 眩しさに目を細める。 時間を確認すると、まだ寝付いてまもない。 うーん、それにしても、なんだか、胸のあたりが……。 はっ! よく見ると、僕の上に乗っかるユータの姿。 あっ、だめ……。 ユータは、僕のパジャマを捲り上げて、僕の乳首に口を付けてちゅっぱ、ちゅっぱ吸っている。 痛気持ちいい。 感じちゃうよ、ユータだめ! そう思って、ユータに声を掛けようとして思い留まる。 ユータは、寝ぼけているようだ。 よく見れば、口をもごもごさせて赤ちゃんみたい。 おっぱい吸っちゃって、ママじゃないよ。 クスっ。 ああ、ユータってかわいいな。 このギャップが堪らない。 うん。 そっとしておいてあげよう。 クスクス、それにしても、やっぱり、僕の所に来ちゃったんだ。 でも……。 はぁ、はぁ。 なんだか、気持ちいい。 体が火照ってくる。 雅樹も僕のぺったんこな胸が好きって言ってくれた。 ああ、雅樹に乳首をコリコリと触られると堪らなく気持ち良いんだよな。 僕は、ユータがしゃぶっていない方の乳首を自分の指で愛撫する。 乳首の先を、指先で摘まむ。 あっ、気持ちいいよ、雅樹……。 やっ、優しくして! 雅樹、ダメ、痛いよ……。 はぁ、はぁ。 パジャマ越しに自分のペニスを触れた。 ああ、やっぱり固くなってる。 もう! 雅樹のせいだからね! 僕は、ユータを起こさないように、そっと、自分のパジャマとパンツをずり下げた。 明けて次の日。 ウキウキするユータを連れて電車に乗り込んだ。 ユータは、小さいリュックを背負って扉の窓越しに外の景色を眺める。 あまり、電車には乗った事がないのかもしれない。 目をキラキラさせている。 ユータは、指をさして叫んだ。 「確かこの辺、うん、この辺!」 地図を事前に確認したところ、確かに目的地のストロベリー公園は、線路際だった。 なるほど、だいたい行き方は分かった。 駅に着くアナウンスが入り、僕はユータの手を握った。 「さぁ、降りるよ!」 「うん!」 ストロベリー公園に着いた。 ユータは、公園を一通り見渡し、滑り台を指さした。 「あッ! フーカ!」 ユータは、そう叫ぶと、その人物の方へ走っていく。 ユータがふうかと呼んだ子は、こちらを見た。 そして、満面の笑みを浮かべる すぐに、「ユータ君!」と叫んで手を振る。 ふうか、ちゃん? その子の服装は、チェックのシャツにオーバーオール。 ユータより少し小柄。 女の子?かな。 僕は、微笑みながら、ユータの後を追う。 ユータとふうかちゃんは手を繋いで楽しそうに何やら話している。 仲良しさんなんだ。 僕は、改めてふうかちゃんを見る。 垂れ目でつぶらな瞳。 肌は色白で、髪の毛は少し長めでサラサラしている。 ふうかちゃんは、ユータと話していると、ころころと可愛らしく笑う。 カワイイ。 ユータったら、こんなに可愛い子と仲良しだなんて、なかなか隅に置けない。 ふうかちゃんは、僕に気が付いたようだ。 僕は、しゃがんで声をかける。 「ふうかちゃん。はじめまして。ユータのお兄ちゃんです」 「お兄ちゃん? はじめまして。フーカです」 ふうかちゃんは、ペコリとお辞儀をした。 へぇ。 幼稚園生なのに、しっかりとしている。 ユータは、なぜか誇らし気に、へへへっ、っと鼻の下を指でこすっている。 ユータは言った。 「砂場にいこう! フーカ!」 「うん!」 ふうかちゃんは、健気にユータの後を追いかける。 へぇ。 仲がいいというより、恋人同士みたい。 はっ。 僕は、ピンと来た。 ああ、ユータが好きって子は、ふうかちゃん、だ。 きっとそうだ。 確かに、優しそうだし、可愛いもんね。 僕が、腕組みをして、うんうん、と、ひとり頷いていると、後ろから誰かに声をかけられた。 「あの」 振り向く。 えっ? そこには、涼し気な笑顔の男性。 優しそうな垂れ目な目元。 ふうかちゃんと同じ、サラサラの髪の毛。 肩幅が広くて、背が高くてスラっとした体格。 もしかしなくても、ふうかちゃんのお父さんだ。 視線が合う。 「ああ、だめ……」 僕はうわごとのようにつぶやく。 ドクっ、ドクっ。 鼓動が早くなるのを感じる。 やばい。 かっこいい。 僕は、慌てて視線を外す。 でも、そこには、胸元まで空いたシャツから、鎖骨から胸板のふくらみが目に入る。 ちらっと見えるネックレスの鎖が、大人の雰囲気を醸し出している。 キュン。 はぁ、はぁ。 だめ……雅樹以外の人にこんなにときめいてしまったら。 僕は自分を戒める。 その男性は、僕に言った。 「こんにちは。えっと、大丈夫ですか?」 「はっ、はい」 僕は辛うじて答える。 「僕はフーカの父親です。あなたは?」 「はい! 青山 めぐむです! ユータの従兄弟です!」 はっ。 初対面なのに、氏名まで明かして自己紹介をしてしまった。 恥ずかしくて、顔が熱くなる。 その男性は一瞬驚いた顔をしたけど、すぐに優しく微笑む。 「これはこれは、ご丁寧に。僕は、久遠 徹(くおん とおる)と言います。ところで、ユータ君のママに何か?」 久遠さんは、心配そうに言った。 ユータ君のママ? すこし、ぼぉっとしていて、頭が思うように働かない。 いけない、いけない。 僕は、かぶりを振る。 ママ? ああ、そうか。 どうして、ここにいるのがユータのママじゃないのか? ってことか。 「あ、いいえ。叔母は、ちょっと家を空けるとのことでユータを一晩預かったんです。だから、今日は僕が付き添いなんです」 「そうですか。何かあったのではと心配しちゃいました」 そう言った、久遠さんは、小首をかしげて微笑む。 大人なのに、子供のような無垢な笑顔。 ああ、そんなの反則だよ。 ドキドキが止まらない。 僕は、誤魔化すように話し出す。 「あっ、あの、ふうかちゃんとは、仲良くしてもらっているんですね」 「ええ、フーカはユータ君が大好きのようで、いつもユータ君にべったりなんです。ふふふ」 久遠さんは、手の甲を口に当てて上品に笑う。 僕はそのしぐさに見とれてしまう。 ああ、細くて長い指。 はっ。 どうしたんだろ、僕は……。 今日は、何かおかしいぞ。 「えっ、ええ。ユータもふうかちゃんの事が大好きみたいです。一緒に遊べるという事で、電車に乗ってきました」 「そうですか。それは、大変でしたね」 「いいえ、そんな事。ほら、あんなに楽しそうに遊ぶ姿を見ちゃったら、無理してでも来て良かったと思います」 僕は、砂場で大きな山を作って遊ぶ二人に視線を移して言う。 久遠さんも、僕につられて二人を見る。 「そうですね。ふふふ」 僕は、久遠さんの横顔をちらっと見た。 カッコいいな。 でも、雅樹とは全く違うタイプ。 いままで、自覚はなかったけど、僕は久遠さんみたいな大人の人に弱いのかもしれない。 そう思える僕は、冷静に久遠さんを見れるようになってきたって証拠。 よかった。 このまま浮気に走っちゃうことが無くて……。 ごめんね、雅樹。 ちょっと、気になっただけだから。 大丈夫だからね。 僕は、心の中でそうつぶやいた。

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