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初めての…(3)

「………。…え?!お仕置き?!何で?!」 皐月が驚くのも当たり前だ。体調を崩して倒れたかと思ったら、いきなり使用人にお仕置きをしようなんて言われたのだから。 「その舞台に上がっていた生徒会長様はDomですよね?」 すみれからの問いを受けて少し考える。 優秀な生徒の噂はよく広まる。学年の違う皐月の周りでも、彼のダイナミクスに関しての話もよくされていた。ただ皐月がそういうことに興味がないため詳しくは知らない。 それでも彼が優秀なDomであるという話だけは聞いたことがある。 そうだと思う、と頷いた皐月を見て、すみれはどこか納得したような表情をした。 「恐らくですが、皐月様は、初めて本能から従いたい、庇護されたいというDomに出会ったんですね。それでSubとしての基本の跪く行為、つまりKneel(ニール)をしようとしたけれど失敗した。 上手くできなかったSubには何が必要だと思いますか?」 「…お仕置き…?」 「そうです。本来なら、出ていない命令、しかもパートナーでも何でもない相手に従えなくてもこのような事にはなりませんが、きっと皐月様にとって強く相性の良い相手だったのでしょう。」 相性の良い相手?俺が本能からKneelをしようとした…?一気に色んなことを言われて混乱する皐月を置いて、すみれがお仕置きの準備を進めようとする。 「今皐月様の身体は罰を求めている状態です。その罰に耐えて、赦しを得ることで欲求が満たされるんです。」 すみれの言ったことを纏めるとこうだ。 あの生徒会長は皐月にとって相性が良く、Subの本能で思わず跪きたいと思う程だったということ。しかし途中で失神してそれに失敗したため、命令を守れなかったという罪悪感からこんな体調不良に陥ってしまったこと。そしてその体調不良を脱するには、罰を受けて赦しを得るしかないということ。 Subとはつくづく面倒だと思う。この様な体調不良は今までには無かった。抑制剤を飲んで、己を律していれば、周りも自分さえも欺けると思っていた。 だから殆ど、Domとはそういう意味では関わってこなかったし、己のダイナミクスを満たすことにそれ程関心も持っていなかった。その結果がこれだ。 「その影響のあったDom本人からのお仕置きではないですし、私自身Subですので大きな効力は無いですが、しないよりはマシなはずです。」 すみれはそう言いながらベッドに腰掛け、自分の膝の上をぽんぽんと叩き、「ズボンを下ろして、ここにお尻を乗せてください。」と言った。

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