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第2話 兵藤貴史
修学館 桜林学園 幼稚舎
桃組 ひょうどうたかし君の悩みは
星組 あすかいこうた君の事だった
兵藤の家の前に聳え立つビルに住むあすかいこうた!
彼は根っからのイタズラっ子だった
朝、美緒に送られて幼稚舎に着くと
何故か何時もあすかいこうた君は待ち構えていた
「お!たかち!まってたんだぜ」
たかちはプルプル首をふった
「こいよたかち!」
「いやら!みよこしぇんしぇーにおこられりゅ」
「みよこがこくてようちゃにこれるかよ」
ズンズン引っ張られて行くしかなかった
こうた君の側には捕獲された相馬一生と四宮聡一郎と緑川慎一がいた
「かじゅ!みよこのスカートめくってこいよ」
一生はプルプル首をふった
「ちかたねぇな」
こうた君はみよこ先生に近寄り……
スカートをめくった
ピンクのパンティが丸見えだった
「こらぁ!」
みよこ先生が怒って康太を追って来る
一生と聡一郎と慎一と貴史は…
こっちに来るな!と祈った!!
ズンズン走ってやって来る!
「待ちなさいよ!」
みよこ先生は一生の後ろに隠れた康太を掴もうとする
掴めないから……一緒に怒るしかなかった
ガミガミ説教をされる……
一生は「………なじぇ……」と呟いた
聡一郎は「こーたはわるガキ…」と今度は逃げようと誓う
慎一は「あははは……ちかたないな…」既に諦めの境地だった
貴史は「こーたといるといちゅもこれだよ!」と怒った
「たかちもみたかったんだろ?」
悪びれず肘でウリウリする康太にキレる
「みたくにゃいよ!ピンクのパンツなんか!
ちぇくちぃーでもないし!」
とついつい言ってしまい………
「ほほう!兵藤貴史君はこの年でセクシーな下着を知ってるのね!」
首を摘ままれて……たらーんとなる
「悪かったわね!ピンクのパンツで!」
貴史の初恋は終わった
みよこ先生に恋していたのに…
「ふられた……もぉらめら……」
康太は爆笑していた
何で康太は怒られないの??
悪いのは康太なのに…
何時もそうだ!
『たかち、かきをとろうぜ!
うまちょうだからな!』
言われて柿に手を伸ばした
すると雷親父に怒られた
貴史はまだ盗ってなかった
盗ったのは康太だった
なのに…何時も何時も…
「もぉこーたとはあちょばない…」
「んなこというなよ!たかち」
「おまえきらいだ…」
謂う事を聞かない貴史に康太は何時もの台詞を口にする
「おれのいえはけんちゅくやで」
「おれのいえはちぇいじかだ」
「ふたりはおぎゃーとうまれたとききゃら」
「おとにゃりで」
「くちゃれえんだ!」
康太と貴史は拳を合わせた
「………あ……のちぇられた……」
貴史は後悔した
気付いたら康太のペースだ
桜林学園 幼稚舎の悪ガキ
の数にカウントされていた
兵藤貴史……屈辱の日々だった
桜林学園 幼稚舎 桃組 兵藤貴史君は悩んでいた
明日幼稚舎生活最後の運動会だった
幼稚舎に入って……まともに運動会を終えた事がない
原因は……星組 飛鳥井康太君の所為だった
「たかち!みんなとおなじことちゅんの、たるいよな?」
貴史はプルプル首をふった
「おゆうぎなんて、きょどものやることやんか」
お前……十分……子供やんか
と、兵藤は思う
「……きょーた……」
声が裏返る……
「あんだよ?」
「おまえの、せはこどもだろ?」
「あったまきた!」
康太は兵藤を追いかけ回した
「たちゅけてぇ~」
徒競走の選手よりも早く兵藤は走って逃げて行く
徒競走の選手は……唖然と兵藤を見送った
「まてぇ!たかち!」
「いやら!まちゅとこわい」
逃げて逃げて…………みよこ先生に捕獲された
「貴史君!運動会を見事にぶち壊してくれたわね!」
兵藤はプルプル首をふった
「みよこ、きょうもびじんだな」
「あら、康太君ったら」
「いいきょとあったな!
おはだがプルプルだぜ!
こいちてるおんなはちがうにゃ」
「もぉ!康太君ったら!」
みよこ先生は幸せそうに笑っていた
………なぜ?
みよこ先生は兵藤を掴んでズンズン歩いて行った
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