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第30話 花火
「康太、今夜は花火大会です
行きませんか?」
康太は驚いた顔をして榊原を見た
「………待ち合わせ?」
「待ち合わせはしません!
君を誰かに口説かせるつもりはありません!勿体ない」
「………なら一緒に?」
「ええ。早めに仕事を上がって着替えて行きましょう」
康太は嬉しそうな顔をして
「うん!」と返事をした
山下公園の花火大会
康太は浴衣を着せて貰った
榊原は夏らしい服に着替えた
飛鳥井の家からバスと電車の移動になった
電車の中は花火大会を見に行くであろう目的の人達が乗り込んで満員だった
榊原が康太を康太を抱き寄せて……押されない様に気を配ってくれた
「辛くないですか?」
「大丈夫だ。伊織が守ってくれるかんな…」
康太は榊原を見上げて笑った
榊原はその顔に……劣情を覚え
ゴクンっと唾を嚥下して……正常心で己の心を装う
「凄い人ですね…」
「皆、考える事は一緒だかんな……
翔達を連れて行くなら考えねぇとな……」
「ホテルを取りますか?」
「今更無理だろうな…」
榊原は大事に大事に康太を胸に抱き守った
関内に着くと、地下鉄を下りて歩く
中華街を抜けて歩いて行く
榊原はあまりの人のみ多さに……康太と手を繋いだ
「離さないで下さい」
揉みくちゃにされて手を繋いで歩く……
嬉しい時間だった
山下公園に到着したのは6時半頃だった
榊原は空いている場所に敷物を敷いて康太と二人、座った
途中のコンビニで買って来たおにぎりを剥いて康太に渡して、腹拵えをする
康太はおにぎりを咥えて、榊原を見た
「伊織は?食わねぇの?」
「僕は後から君を食べるので大丈夫です」
康太は顔を真っ赤にして……
「…バカっ…」と呟いた
康太の手を取り掌に口吻た
「………伊織……まだ明るい…」
「大丈夫ですよ
周りは自分達の世界で僕達なんて見てませんよ」
「………暗くなったら……」
康太はボソッと呟いた
榊原は康太を抱き寄せて耳元で……
「暗くなったら……君を食べて良いんですか?」と問い掛けた
「……伊織が食いたいなら……」
「……今でも食べたいですよ?」
榊原はそう言い、康太の手を取り……股間に導いた
「………ぁ……」
そこは……既に……硬かった
下着の中で窮屈そうに…生地を押し上げていた
「………伊織……ここじゃ……ゃ…」
「解ってますよ!勿体ない」
榊原は康太のお口をペロンと舐めて
「美味しそうです……君のお口…」と笑った
康太は榊原の手を強く握り締めた
辺りは段々暗くなり……真っ暗になった
榊原は康太を膝の上に乗せた
「………伊織……」
「……しぃ!黙って……」
康太は榊原の胸に顔を埋め
パァァァン!と爆音を轟かせて……夜空に花火が上がった
康太は夜空を見上げた
「……伊織……」
「綺麗ですね」
「オレ……花火を此処まで近くで見るの初めて…」
「僕も初めてですよ」
見上げる康太の方が……
綺麗だった
榊原は康太が何処かへ行きそうで……ギュッと抱き締めた
「……伊織……」
榊原は康太の唇にキスを落として
「来年も……二人で見に行きましょうね」
康太は何度も頷いた
「うん……伊織……愛してる…」
「僕も愛してます康太…」
「……来年も再来年も……10年後も……」
「………未来永劫……一緒にいましょう!」
「………うん……うん……」
康太の視界がグニャッと歪んだ
康太の頬を濡らして行く涙は綺麗だった
榊原は涙に口吻た
二人で見上げた花火は綺麗だった
「今度は…」
「ええ。翔達を連れて来ましょうね」
「ん。生まれて初めての花火だかんな…」
「そうして一緒に生きて行きましょう」
「……ん……伊織……伊織……」
康太は泣きじゃくり榊原の胸に顔を埋めた
榊原は康太を強く抱き締めた
花火が終わると人は帰り支度をした
静けさが……辺りを包んだ
榊原は康太を立ち上がらせて、自分も立ち上がった
帰り支度をして帰路につく
榊原は康太と手を繋ぎ歩いた
「赤レンガ倉庫の方に行きますか?」
「ん……伊織と一緒なら……」
暗闇に紛れて手を繋いで歩く
見上げる康太は可愛かった
赤レンガ倉庫で海を眺めて……
康太を抱き寄せた
そして口吻た
「………伊織……」
抱き合った体躯が熱を孕む
榊原の股間は勃ち上がっていた
「……君が欲しいです…」
「………伊織……オレも……お前が欲しい……」
「………飛鳥井に還りますか?」
「…ん……伊織、帰ろ…」
榊原はタクシー停めて、停まったタクシーに乗り込んだ
山下公園から飛鳥井の家はそんなに遠くはなかった
交通機関を使えばかなり遠くなるが、車を使えば程遠距離はなかった
タクシーが飛鳥井の家に停まると、榊原は料金を支払い、康太を促してタクシーを下りた
3階の寝室へ向かい……寝室のドアを開けると……
康太をベッドに押し倒した
「……浴衣って本当に楽しいです…」
浴衣の胸元を広げて見える乳首に吸い付いた
「……あぁっ……伊織……待って……」
「待てません……何故浴衣の下…
下着をはかせなかったか……解りますか?」
榊原は康太を裸に剥いて浴衣を着せた
浴衣の下は……下着一枚身に着ける事なく……着付けされた
股がスカスカとして……恥ずかしかったけど……
着物の下は何も着けてはいけません!
浴衣も同じです……榊原は言ったから……康太は信じた
まさか……意図があったなんて……
「…裾を捲ると……君の可愛いのがまる見えですよ?
…色っぽいです……」
榊原はそう言い……
康太の痴態を見ていた
慌てて裾を合わせようとするが……榊原の手に阻まれて……
全部を榊原に見せていた
「……伊織……恥ずかしい……」
「綺麗ですよ康太…」
「一生に眼医者に行けって言われるぞ……」
「……君のこんな痴態を見れるのは僕だけです……
君の乳首……美味しそうです……」
榊原はそう言い摘まんで……吸い付いた
「……あぁっ……ゃ……吸うな……」
「何でですか?
明日、Yシャツに擦れて感じちゃうからですか?」
「……解ってるなら……あぁん……噛まないでぇ……」
「君は僕のモノでしょ?」
榊原はそう言いピアスの入った乳首を摘まんだ
「あぁん……イクっ……」
「ダメです……」
榊原はポケットからハンカチを取り出すと……
康太の性器を根本から縛った
「…ゃ……伊織…外してぇ…」
「君のはしたない液が、お尻の方まで流れて来てますよ?」
榊原はそう言いお尻の穴を擦った
「………伊織……許して…」
グチャグチャ……と湿った音が響く
指を挿れられて掻き回されると……康太は仰け反った
「愛してます…康太…」
「オレも愛してるかんな!」
榊原は康太を俯せにしてお尻を突き出させると……
白い双丘を開いて赤く艶めく蕾に舌を這わせた
指を挿し込み……皺を伸ばす
ペロペロ舐めて濡らして……穴を広げる
康太は堪えきれずに……泣き出した
「……ぅ……ひっく……すんすん……」
鼻を啜って泣く姿は……可愛すぎる……
「……泣かないで……康太……
飲んであげるのでイッて良いですよ」
榊原は性器を縛ったハンカチを解いた
「……ゃ……挿れて伊織……
一人でイキたくねぇんだ……」
榊原は康太を向かえ合わせで膝に乗せ跨がせると……
秘孔に性器を挿し込んだ
「……ぁん……イイっ……伊織…」
乱れだ浴衣が色っぽかった
榊原は抽挿を早めた
後はもう……熱に魘されて……
互いを求め合った
途中で意識を手放しだ康太は目を覚ますと、榊原の熱に……
頬を擦り寄せた
榊原は康太を上に乗せて抱き締めていてくれた
康太が好む行為だった
「……気が付きましたか?」
「……ん……伊織……今日は楽しかった…」
「僕も楽しかったです」
「次は子供達や家族とだな」
「ええ。翔達も喜びますね」
「伊織……ありがとう…」
「どうしたんですか?」
「…オレ……気にするから……」
だけど榊原は康太を抱き締めて花火を見せてくれた
康太はこの日の花火の美しさを忘れない……と心に決めた
「大丈夫です
2人なら乗り越えられない壁などないのですから……」
「………伊織……」
「愛してます康太」
「愛してる伊織」
「この命ある限り……一緒に見ましょうね」
康太は何度も頷いた
瞳の裏に……
この日見た花火が焼き付いていた
康太は……榊原を抱き締めた
榊原も康太を抱き締めた
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