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第33話 大空(かなた)

活動的な太陽に比べて大空は大人しい 寡黙に遊ぶ 寡黙に何かをやる ………笑った顔はあまり見ない 寡黙だが頑固な翔とも性格は違う どちらかと言えば榊原伊織のコピーみたいに 何も興味がないのだ 「かなちゃんは大人しいわね」 保母さんは大空の頭を撫でて言う 流生はプルプル首をふっていた 大人しい…… 切れると一番恐いのは大空だったから…… 大空のやる気のなさを兄弟でカバーして、隠す ちゅまんにゃい 大空は何時も想っていた かぁちゃが一日中いてくれれば良いのに…… とぅちゃが一日中いてくれれば良いのに…… ちゅまんにゃい…… ちゅまんにゃい…… とぅちゃは何時も言う 「かな、君は大切な人を見つけたら、その人だけのモノになる 今はつまんない日々かも知れないけど、愛する人に出逢う為の日々なんですよ」 何時もそう言う でも難しすぎる アイチュはらいちゅき ちゅめたい アイチュをとぅちゃに差し出すと笑う 「それじゃないですよ」 そう言い撫でてくれる とぅちゃとかぁちゃがいてくれる 兄弟がいてくれる どんな時でも傍にいてくれる 助け合い生きている ちゅまんにゃい日は…… それなりに楽しい アイチュ…… 解る日は来るのかな? 大空はワクワクしていた とぅちゃとかぁちゃみたいになりたい とぅちゃとかぁちゃみたいに仲良くいたい それが大空の願いだった

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