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第36話 オペの日

北斗のオペの日が決定した 8月1日 午前10時 北斗は前日から入院した 北斗の病室は個室だった 大部屋で他の人もいるのかと想っていた 一生は北斗の頭を撫でて 「おめぇは誰かいると気を遣うだろ?」 「………父さん……僕平気だよ お金高いよ……個室は……」 北斗が言うと一生は笑い飛ばした 「父さん、飛鳥井建設から給料貰ってんだよ あんまし使う事がねぇからな、貯蓄してあんだよ もし、金がなくても俺はなんとしてでも北斗を治してやる! そう決めてるんだよ 我が子の為なら俺は何でもする 北斗……おめぇは父さんの大切な息子だ……」 一生は北斗を抱き締めた 「……父さん……」 この人が好きだ 父さんの息子で本当に良かったと想う 父さんの息子でいたい 何時か……父さんが守っている牧場を継いで…… 父さんを安心させたい 父さん…… 僕は貴方の子供になって…… 本当に良かった…… 僕は……貴方の様な誠実な大人に出逢えて…… 本当に良かった…… 父さん…… 僕は……貴方が大好きです 「北斗、オペ室に父さん入るからな!」 「………え?父さん……良いよ無理しないで……」 「ずっと、おめぇの手を握っててやるからな! オペの間も……おめぇが目を醒ますまで、ずっと握っててやる!」 北斗は泣き出した…… 子供みたいに、しゃくり上げて泣いた 「あに泣いてるんだよ」 一生は北斗を 抱き締めた 「北斗七星に導かれる様に康太が付けた名前だぜ! 絶対に負けねぇ……お前は父さんの牧場の跡継ぎになるんだよ!」 その言葉に…… 僕は生かされる…… 曲がらない様に……見守ってくれる父さんを絶対に裏切りたくない…… 心が……そう思う 「………父さん……僕……父さんに迷惑ばかりかけてる……」 「迷惑なんて想ってねぇよ! おめぇが痛いのが……父さんは辛い…… おめぇが頑張って痛みを堪えてるのが……辛いんだよ 治してやれねぇ自分の無力さに……お前を抱き締めるしか出来ねぇ…… 北斗……ごめんな……」 「………父さん…… 僕は幸せだよ…… 父さんがいてくれるから……僕は生きて行けるよ……」 一生は北斗を強く……抱き締めた 「………お前が生きててくれるなら……… 父さん……何も望まねぇ……」 神様…… もし神様がいるなら…… 聞いて下さい 僕を少しだけ治して下さい この優しい父さんを苦しめないで…… お願いします 父さん…… 父さん…… 僕は貴方が大好きだよ 久遠がやって来て、北斗に注射と点滴を打った 北斗は一生を見た 一生はニカッと笑った 「父さんがいる!」 一生が言うと背後から 「……北斗、オレもいるんだぜ! 父さんじゃ心許なかったらオレを頼れ!」 と声が掛かった 「僕もいます! 一生の不足分はフォローしてあげます!」 榊原も笑って顔を出した 「北斗、僕もいるからね! 一生だけじゃ不安でしょ?」 聡一郎も顔を出した 「北斗、また一緒に遊ぶのだ オレ様は北斗が大好きだぞ」 隼人も顔を出した 「北斗、退院したらお祝いしないと駄目ですね 何か食べたいのありますか?」 慎一も顔を出し、退院の算段をする 「僕、シュークリーム食べたい」 「シュークリームならご飯は食べれる様になったら持って来ます」 慎一の言葉に北斗は嬉しそうに微笑んだ 「「北斗!頑張れ!!」」 和希と和馬が応援する 飛鳥井の家族が顔を出した 榊原の家族も顔を出した 榮倉真奈美も顔を出し北斗にご本を渡した 個室は……人で一杯になった 久遠が顔を出し 「お!これは成功の報告しか出来ねぇな!」 とボヤいた 康太は 「あたりめぇじゃん! 一生の子供だかんな! 成功の報告しか聞かねぇよ!」 と笑った 皆に送り出されて…… 北斗は父に手を握り締められ…… オペ室に入って行った 走れるようになったら…… 康太君の子供と遊べる 和希と和馬と遊べる コオとイオリの散歩にも行ける 父さん…… 僕ね 父さんとキッチボールしたいんだよ…… 父さん…… とうさ……… 北斗はオペを受けた

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