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第40話 流生(りゅうせい)

流生の考えは何時も前向きだ ポジティブな所は一生にソックリだった 5人の中でムードメーカーなのは流生だった 流生は何時もポッケの蒼い玉を触っていた とぅちゃが流生の為に買ってくれた玉だった 元気がない時 悲しい時 嬉しい時 楽しい時 蒼い玉を触る 流生の想いの詰まった玉だった 時々 洗う 「かぁちゃ ちれちれ!」 と言い、かぁちゃと一緒に綺麗、綺麗する そして満月の夜は月光浴させる 「かぁちゃ、きょれもねんね?」 「そうだ!月がまん丸だろ? そんな夜は月の光に当てねぇとな」 「りゅーちゃも?」 流生は月の光に当たっていた 康太は笑った 「流生はしなくていい この玉だけ月光浴だ!」 康太は流生を抱き上げた 「流生、人の想いは溜まりやすいんだよ だから何もしないと……割れちまう…… それか石が邪悪なモノに変わっちまう それは嫌だろ?」 流生は頷いた 「かぁちゃ…」 「あんだよ?流生」 「りゅーちゃ……」 「……ん?」 「ちゅき?」 「大好きだ流生 かぁちゃは流生が大好きだ 翔も音弥も太陽も大空も、かぁちゃの宝だ!」 流生は嬉しそうに笑った 「流生、空と同化して星を見ろよ お前の瞳に、星が一際綺麗に光ったら、それはおめぇの星だ」 「りゅーちゃのほち?」 「流生…何時か……本当の真実を知る時が来る…… その時……おめぇは……」 かぁちゃは苦しそうに……瞳を閉じた 「りゅーちゃ かぁちゃといる りゅーちゃ かぁちゃにゃちゅき」 康太は流生を強く抱き締めた 頑固な眉毛が……流生の想いを物語る 闘志が湧いてる時は吊り上がり 不安な時は……ハの字になる 一生譲りの眉毛は…… 受け継がれていた 「流生が大きくなったら、総て解る」 にゃにが? とは聞けなかった 「そしたらお前は……」 母を恨むか……? 康太は流生を下ろした 見上げる瞳は康太を見ていた 必死に見逃さない様に康太を見ていた 康太は流生と手を繋いだ 「かぁちゃは……」 「にゃに?」 「ずっと流生を愛してる…」 流生は康太の足に抱き着いた 「流生、蒼い玉はねんねした おめぇもねんねの時間だ」 「やら!」 縋り付く流生を抱き上げて寝室に連れて行く 寝室のベッドには榊原が寝そべっていた 「………流生……」 妻を待ってた榊原は想わず呟いた 「離れねぇかんな連れてきた」 「流生 おいで」 榊原は流生に手を伸ばした 流生は榊原に抱き着いた 「流生、かぁちゃと一緒だったんですか?」 流生はポッケを叩いた 榊原は流生のポッケを触った すると膨らみはなかった 「……流生、石はどうしました?」 流生は屋上を指さして 「ねんね!」と元気に言った 「……ねんね……してるんですか?」 榊原は康太を見た 「今宵は満月だろ? おめぇが流生に買い与えのは天然石 浄化しねぇとダメなんだよ」 「………そうなんですか?」 「石は流生の想いを吸い取る 満月の晩に月光浴させて浄化する」 「それで……ねんね、なんですね」 「そうだ」 康太は……中々ベッドには入らなかった 榊原は流生を小脇に抱えて隅っこに移動すると、上掛けを捲って横をポンポンと叩いた 「おいで!」 「伊織……」 「ずっと待ってたんですよ…奥さん」 康太は服を脱いで……榊原の横に潜り込んだ 榊原の腕が……康太を抱き締めた 「……伊織……流生がいる」 「僕はずっと待ってたんですよ?」 「……満月だったから……」 榊原は康太の体躯を弄った 流生は横でスヤスヤと眠りに落ちた 「……この前……ベッドで犯って子供達に……見られた」 ベッドが揺れすぎていたからだ…… 「解りました……大人しく寝ます」 榊原は流生を真ん中に入れた 「君と僕との子供です」 二人で流生を抱き締めた 「………流生に自分の星を教えた……」 「まだ早いです!」 「……早過ぎる事はねぇ……」 「……康太……」 「子供らに星を教える ちゃんと導いて貰える様に…… 教えるのがオレの務めだ…」 「そうやって自分を追い込まないで……」 「………何時か……解る……」 「総て解ったとしても、僕達は……この子の親です!」 榊原は強く康太を抱き締めた 流生はニコッと笑って 「かぁちゃ ちゅき」 と寝言を言った 康太はその言葉に……涙を流した 「とぅちゃ ちゅき」 榊原も康太を抱き締めて……喜びを噛み締めた 「今宵は……大人しく寝ましょう……」 「……ごめん……伊織…」 「こんな夜も良いですね」 「……ん……」 流生は何か食べてる夢でも見てるのか…… 口をモグモグさせていた おヨドを たらーっと垂れて行く 榊原は笑っていた 「……らめ……もぉらめ…」 流生の寝言に康太は 「……どんだけ食ってるんだよ」 と笑った 「……大きくなりましたね」 「……ん……飛鳥井に来た頃は……小さかったのにな…」 「眉毛は変わりませんね」 頑固な眉毛は…… 父親譲りだった 「……日に日に……一生に似て来るのな…… 血は争えねぇって想う……」 「君の子です 戸籍上も……疑う事なく君の子です」 「………血は……」 誰より濃い…… 「この子達を育てて日々を築けば……想いは伝わると想います… そんなに弱気にならないで…」 「………何時か……アンタなんて親じゃない……って言われるのかな?」 「そんな台詞言う子供は一人もいません! 僕達は子供達を愛してます」 榊原は康太を強く抱き締めた 康太と榊原の間で流生は幸せそうに眠っていた とぅちゃとかぁちゃがいてくれる それだけで流生は幸せそうに笑っていた 3人で眠る夜 親子の絆は深まった……… と想いたい 両親の想いを何時か知って 強く生きて行って欲しい 願いは尽きなかった

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