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第45話 ほちい

音弥は榊原の傍に走って寄って言った 「あにょにぇ…」 内緒話をする 「おとたん……」 「どうしたのてすか?音弥?」 「とぅちゃ……おとたん……」 欲しいモノをとぅちゃに話す ヒソヒソ ゴニョゴニョ とぅちゃに話す 「欲しいんですか?」 音弥は頷いた 榊原は音弥を抱き上げた 「買いに行きますか?」 「ちょれ、うれちぃ」 榊原は音弥を連れて、デパートに行った 音弥はiiPodを欲しがった 誰かがiPodを持っていたのか? 欲しがった 『あにょにぇ とぅちゃ   おとたんにぇ あぃ ぽっちょ がほちいの』 音弥はそう言った iPod…… 子供が持つには…… 高価過ぎだろうか…… 榊原は悩んだ でも流生にかなり高いラピスを買った手前…… 他の子はダメだと言えない…… 榊原は音弥を連れて花菱百貨店へと向かった 花菱百貨店に到着すると、家電売り場を見に行った iPod 見付けて見ていると、道明寺達也が、榊原の傍に寄って来た 「今日はお子様のお買い物ですか?」 「………道明寺さん……」 「勉強させて戴きます!」 「僕の息子がiPodを欲しいと言うので見に来たのです」 榊原は嬉しそうにそう言った 道明寺は「……先日ラピスの球体を買われたとか…あれも高価なお買い物でしたね」と申し訳なさそうに言った 「我が子に強請られると……買ってしまいます……」 「優しいお父様ですね」 道明寺は優しい笑みを浮かべた 榊原は道明寺に 「すみません、iPodを2つお願いします」 と頼んだ 道明寺は「2つですか?」と訝しんだ 「妻にも贈りたいのです」 それで納得した 「奥様にですか! では腕によりをかけてお見繕いさせて戴きます」 道明寺は音弥と康太のiPodを見繕ってくれた プレゼント用のリボンを掛けて貰い 榊原はウキウキとして家へ帰った 車の中で榊原は 「音弥はどんな歌を入れるのですか?」 と尋ねた 「ひゃやと いれちぇくりぇる」 「隼人……ですか?」 「ちょお!」 音弥は楽しそうに言った 「かぁちゃに沢山お歌、歌ってあげれますね」 榊原は音弥の頭を撫でた 「おとたん とぅちゃ うたうにょ」 ニコニコ笑って音弥は答えた 榊原は嬉しくなり……涙が零れた 子供がもたらしてくれる日々 それは嬉しい発見に…… この子達の親で良かった……と想えた 家に帰ると音弥は、嬉しそうにプレゼントを抱えて、隼人の処へ行った 「ひゃやと!」 ソファーで寝そべってた隼人は 「なんなのだ?」と音弥に問い掛けた 音弥はiPodを隼人に差し出した 「何なのだ?これは?」 「おとたんにょ あいろっと」 「………凄いのだ……買って貰ったのか?」 「 ちょお!とぅちゃ!」 音弥は嬉しそうに言った 「おうた 」 音弥はお歌を入れろと隼人に迫った 隼人は音弥に教えた歌を入れてやった 榊原はそれを見ていた康太にリボンのされた箱を手渡した 康太は榊原を見た 「……オレに?」 「そうです!奥さんにプレゼントです」 榊原は康太の唇にキスを落とした 康太はリボンを解いた そして箱の中からプレゼントを取り出した 「………iPod?」 「そうです。君にプレゼントです」 「……オレは歌は聴かねぇ……」 「僕の聴く歌を入れて君にプレゼントします」 「………ありがとう…」 康太は頬を染めた 榊原から愛の籠もった歌が沢山入っていた 「………んとによぉ…… この歌の方が……恥ずかしいってつうの!」 康太のボヤきが……淋しく響いた 音弥はとぅちゃにほちいとオネダリしたiPodを嬉しそうに何時も聴いていた

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