47 / 163
第47話 ひょーろーきゅん
「お!おめぇら元気か?」
ひょーろーきゅんは突然やっくる
流生が「あー!」と言うと
音弥が「ひょーろーきゅん」と言い
太陽と大空が「「きよんちちわ」」と挨拶した
翔がペコッと頭を下げた
「お!役割分担出来てんじゃ」
「ちょお!」流生が笑った
兵藤は流生を膝の上に乗せた
「今日も頑固な眉毛は健在だな?」
そう言い頬にキスを落とした
子供達は知っていた
兵藤が……かぁちゃを好きなのを……
音弥が「かぁちゃ ねんね」とソファーを指差した
「お!康太は寝てるのかよ?」
と笑った
一生が兵藤に
「康太は子供達にプラモデルを組み立ててやると言ってたけどな………手に負えなかったらしいわ」
と説明した
「このプラモデルかよ?
伊織はどうしたよ?」
「旦那は会社
忙しい過ぎだよ…旦那は」
「離れ離れってのも珍しいな」
「そうでもねぇぜ!
康太にセキュリティガードを付けたからな……」
兵藤は部屋の片隅に存在を消して座っている外人を見た
外人は康太から目を離さず……オブジェと化していた
「で、康太はこれが作れずに……寝ちまったのかよ?」
兵藤が言うと流生が
「ちょお!かぁちゃ ねんね!」と答えた
音弥は康太の上に這い上がり……かぁちゃの胸に重なり擦り寄った
「おとたん かぁちゃ いっちょ」
音弥が言うと太陽が
「おとたん じゅるい!」
と康太の上に重なった
「りゅーちゃも」
「かけゆも!」
「きゃなも!」
と言い子供達は全員……かぁちゃの上に乗った
「うっ………苦しい‥‥」
康太が呻いた
一生は康太の上から子供達を退かした
やっとこさ……楽に息が吸えて
康太は一息ついた
「……ひでぇ目に合った」
ボヤいた
兵藤は笑ってプラモデルを作成していた
「一生、ボンド」
兵藤は一生にボンドを要求した
一生は兵藤にボンドを手渡した
兵藤は手慣れたもんでサクサクとプラモデルを作って行った
子供達は憧れの瞳で兵藤を見ていた
「ひょーろーきゅん」
流生が興奮して呼んだ
「「「「ちゅごい!」」」」
翔達は声を揃えて叫んだ
康太は拗ねた
「……オレは雑いから……」
一生は「拗ねるな…貴史は器用な男なんだよ」と康太の頭を撫でてやった
「かぁちゃ!」翔が叫んだ
「あじぎゃとうは」太陽が言い
「チュー」と音弥がキスする真似して
「ちゅるの!」と流生が言った
「やりゅの!」大空が催促した
「えー!オレがやるのかよ?」
子供達は頷いた
「貴史…」
「あんだよ?少し待て!」
「こっち向けよ」
「あんだ………っ!!!!」
顔向けた兵藤に康太はキスした
唇にチュッとキスした
兵藤が呆然としてると……
流生が康太に抱っこしろと催促した
康太は流生を抱き上げると
「かぁちゃ ひょーろーきゅん」
と言った
兵藤の方に近付けると流生は兵藤にキスした
「………まぢかよ……」
兵藤は呟いた
「かぁちゃ おとたんも!」
康太は流生を下ろすと音弥を兵藤に近付けた
すると音弥は兵藤の唇にチュッとした
音弥がやると翔も太陽も大空もやった
「きょれで」流生が言う
「ひょーろーきゅんと」音弥が言って
「なきゃよち」太陽が言った
「なっちゃ!」翔が言い
「ねー!」と大空が締めくくった
兵藤は一心不乱にプラモデルを作成して……
帰って行った
康太は兵藤にメールして
『今日はゴメン』
と謝った
「気にすんな!また遊びに行くな!」
と返した
濃い……一日だった
「……どんだけキス好きよ……」
と康太と子供達を思い浮かべて……
兵藤は笑った
久しぶりにスッキリした笑顔が零れた
ともだちにシェアしよう!