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第71話 夢‥

『伊織……オレはもう……逝かねばならない……』 飛鳥井康太は儚げに笑って……そう言った 『でしたら……僕も……共に逝きます』 『………ダメだ…… 幾度生まれ変わっても…… お前はオレと来てくれた その度にオレは想ってた お前を死なせたくない……と想ってた』 『……君のいない世界に僕は1秒たりとも生きていたくないのです』 『……伊織……生きろ……』 『嫌です…… 何でそんな……意地悪な事を言うんですか……』 『意地悪じゃねぇ…… お前はまだ生きられる……』 『君のいない世界に生きていても意味はない 僕は君がいるから生きて逝けるのです 何故そんな事を言うんですか…… 僕を置いて逝く気ですか? 僕がいない魔界に一人で逝く気ですか……』 『……伊織……』 榊原は泣いていた 『……君を失って生きて逝く事が……どれ程辛いか…… 君には解らないんですか?』 『オレも離れたくなんかねぇ! でも……オレと共に逝くって事は総て捨てて来ねぇとダメなんだぞ 何時も何時も……オレはお前から奪うはかりだ……』 『……君のいない世界に生きろという事は…… 僕に……何もかも奪う事です…… ならば……この身なんて……滅んで構わない……』 『……そんな事を言うな……』 榊原は泣きながら康太を抱き締めた 涙が止まらなかった こんな意地悪な事を言うなんて…… 死しても共に…… それしか望んでないのに…… 「おい……おい……」 呼ばないで下さい…… もう良いんです 僕なんて滅んで消えてしまうんですから…… 「伊織…伊織ってば……」 体躯を揺すられた 目を開けると康太の顔が間近にあった 「どうした?伊織……」 「……君が……僕を置いて逝くから……」 榊原は泣いた 涙が止まらなかった 康太は榊原を強く抱き締めた 「オレが伊織を置いて逝く事なんて未来永劫ねぇぞ」 「……だけど……君はもう逝かねばならないって…… なのに僕に……今世は生きろって……」 後は言葉にならなっかった 「んな事、オレが言う訳ねぇじゃんか」 「………康太……康太……」 「オレ等は離れては生きられねぇんだ 違うか?伊織?」 「………康太……僕を置いて逝かないで下さい……」 「当たり前じゃねぇか! オレが伊織を置いて逝く日なんて来ねぇよ! オレ等は魔界に帰ったら夫婦になるんじゃねぇかよ! オレだけ還ってどうするんだよ? オレの伊織を置いて逝ったら……オレは気になって魔界には還れねぇよ」 「康太……未来永劫……君を愛します」 「当たり前じゃねぇか! お前がオレ以外を愛すなら息の根を止めんぜ!」 「君しか愛せません」 「なら……んな夢見んじゃねぇ…… オレはお前しか要らねぇんだ お前しか見てなかった……これからもお前しか見ない」 康太は榊原の上に乗った 執拗に接吻を送った後に…… 榊原の体躯に愛撫を送った 聳え勃つ性器を舐めて口淫した 康太のもたらす熱に煽られ、榊原は康太を組み敷いた 性器も秘孔も舐めまくり、膝の上に乗せた 「………熱い……挿入って来る……」 「君しか味わえない熱です」 一つに繋がり……貪り合う 無くさないなら生きて逝ける 互いから手を離さないなら… 生きて逝ける だから君の熱を下さい 榊原は魘された様に康太を欲した 康太は榊原が欲するままに受け入れた 不安など…… 互いのもたらす熱の前に消えてしまう だから抱き合う 互いを確かめる為に抱き合う この熱があるなら…… 生きて逝けるから…… 二人は欲望が尽きるまで抱き合った 未来永劫…… 求める熱は……君だけ 愛してます

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