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第83話 桃太郎

桃太郎は朝の散歩が大好きだった 散歩に行くと兄弟に逢えるから…… 桃太郎は兵藤の家のシュナウザーのタカシを母に持つ タカシは出産の時五匹産んだ その兄弟は……桃太郎以外は貰われて行ってしまった 本当は兵藤の飼い主はチャンピオン犬を残して、後は里子に出すつもりだった 桃太郎は三木繁雄の家に貰われて行く予定だった だが……チャンピオン犬のイオリが飛鳥井に貰われて行ってしまったから…… 桃太郎が残った 三木繁雄の家には大人しいバニラ(康太命名)が貰われて行き 飛鳥井にはイオリ(飛鳥井玲香命名)が貰われて行き 堂嶋正義の家には活動的なあられ(康太命名)が貰われて行った 兵藤美緒の実家にクルミ(兵藤命名)が貰われて行き…… 桃太郎が残った 桃太郎はイオリを見つけて駆けていく 「イオリ コオ おはよう」 コオは桃太郎に「おはよう」と元気に返した イオリは邪魔するな光線を桃太郎に送り…… 「おはよう」と返事した グレードテンの玉三郎が散歩中の桃太郎に声をかけた 「桃太郎、元気か?」 「元気だよタマちゃん…」 「俺にはそうは見えねぇな……」 「………だって……兵藤の人間は…… イオリを残したかったのに……飛鳥井にやっちゃったから…… 仕方なく僕を……残したんだ…… 兄弟犬に逢っても……僕は邪魔みたいだから……」 桃太郎は悲しそうに呟いた 飼い主康太はイオリを蹴り上げた 「今度桃太郎を邪魔にしたら……家から追い出すかんな!」 と怒った イオリは泣きそうな顔をした 康太は桃太郎を撫でた 「美緒はおめぇが好きに決まってるだろ? お前はコタロウとも仲良くやってる 性格が良いからな残されたんだ おめぇは兵藤の大切な犬だぜ!」 康太が言うと美緒も 「桃太郎……悩んでおったのかえ? 桃太郎はうちのどの子とも仲良くやれるではないか! 我は仲良く出来るお主を選んだのじゃ! 悩むでない桃太郎……毛艶が悪くなる お前はチャンピオン犬に引けを取らぬ毛艶じゃ! わが家には大切な存在なのじゃ!」 美緒はそう言い優しく撫でた 兵藤昭一郎もコタロウの散歩にやって来た コタロウは年を取って若い子達と一緒には散歩出来ないから昭一郎がゆっくり散歩させていた 「おや、美緒さん……今日は遅いですね」 昭一郎が妻に声をかけた 「桃太郎が何故か落ち込んでおってな……」 昭一郎は桃太郎を撫でた 「桃太郎、どうしました? 君は何時も元気で明るい 君が元気じゃないとタカシもコタロウも心配します」 桃太郎は昭一郎に擦り寄った 皆で仲良く散歩した 僕は僕で良いんだ 気が楽になった

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