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第86話 顔合わせ

この日小鳥遊 譲は、香椎頼斗と神野晟雅と共に東栄社へと来ていた 会議室に通されると先客がいた 東栄出版 小説部門 編集長の脇坂篤史が対応に当たっていた 作家の西園寺一臣と編集者の円城寺健だった 脇坂は「………すみません、もう二人来ますが良いですか?」と尋ねた 神野は「はい!大丈夫です」と返答した 暫くすると飛鳥井康太が伴侶の榊原伊織と共にやって来た 「脇坂、悪いな……あれ? オレ等だけじゃないのかよ?」 「……はい!偶然にも……西園寺先生が欲しいと言いだし、モデルの頼斗さんが欲しいと神野を通して言ってきたのです」 康太は神野を見た 「晟雅……お前の趣味じゃないよな?」 康太に問い掛けられ、神野は「はい!」と返した 「小鳥遊の弟が頼斗に言って来たので、連れて来ました! 小鳥遊の弟の譲です!」 神野が紹介すると譲は立ち上がった 「小鳥遊 譲です!よろしくお願いします。」 「譲、おめぇ……限定ポスター欲しさだよな?」 「当たり前じゃないですか! 手に入らないなら……コネでも欲しい……」 「そうか!そうだよな!話が合いそうだな! お前、映画見に行ったか?」 「行きました!色紙欲しさに毎週行きました!」 「お前もか!今度は一緒に行こうぜ!」 「はい!」 「お前……高校生位か?」 「俺は大学三年です!」 「嘘……高校生に間違われないか?」 「……屈辱です……が、高校生ならまだマシです……下手したら中学生に見られます……」 譲は悔しそうに口にした 「オレと健もそうだ! 小さいからな年相応には見られねぇ……」 康太も悔しそうに言った それに健も参戦して「良く解ります!」と共感した 3人はすっかり仲良しになった 3人が揃うと同じくらいの背丈になる 3人はニコニコと話に夢中になった 頼斗は「………先輩……」と呼んだ 一臣も「……健……」と名を呼んだ 榊原は「………康太……嬉しそうですね」と諦めの境地だった 3人はすっかり漫画の話で夢中になった 譲は携帯の待ち受けを見せた 「「おおぉ!そう来たか!」」 康太と健が叫んだ 健も携帯の待ち受けを見せた 「「まさか……それ持ってくる…」」と康太と譲は悔しげに呟いた 康太も待ち受けを見せた 「「おおぉ!王道!!流石っす!」」 健と譲は感極まって泣きそうになった 脇坂が「………そろそろ宜しいですか?」と声をかけた 3人は「「「はい!」」」と揃って返事をした 脇坂は映画配給元のポスターを3枚取り出した 「これがお約束のポスターです 声優さんのサインを入れて貰いました」 「「「おぉぉぉぉぉ!!!」」」 3人は声を揃えて歓喜した 譲は「脇坂さん!ありがとう!!」と深々と頭を下げた 健は「編集長……心の恩人です!」感謝の意を伝えた 康太は「脇坂、無理言ったな!本当にありがとう! 気の合う奴とも出逢えたし、めちゃくそ嬉しい!」と感謝の言葉を告げた 脇坂は「野坂も……そのうち仲間に入れてやって下さい……きっと喜びます」と三人に告げた 康太は「野坂……コレ好きなのかよ?」と問い掛けた 脇坂は「はい……熱狂的です」とため息を着いた 神野は脇坂に 「そう言えばこの前、壁外調査に行くって言って消息断った奴いました」 と言った 脇坂は「誰ですか?」と問い掛けた 神野は笑って譲を指さした 「コイツ……小鳥遊の弟 壁外調査に出掛けて長距離索敵陣形……うんぬんと小鳥遊に言うから…… 小鳥遊は信じてたらしくて消えたと大慌てで探してた」 神野が言うと康太は 「それ、すげぇ……オレも今度使おう」と共感していた 健も「譲君は何やってる人なんですか?」と問い掛けた 「俺は文理学部 史学科を専攻してます 大学を卒業したら院に上がります」 「………史学科って何を主にやってるの?」 「発掘調査だったり遺跡の調査です」 「あながち壁外調査って間違ってはないよね?」 「そうでしょう!」 譲が嬉しそうに言うと神野が「譲!」と怒った 康太はそれを見て「すっかり兄貴だな…お前」と揶揄した 「康太……譲の親から預かってるので……」 と、神野はだから大切にしてると訴えた 譲は指にはキラキラ綺麗な指輪が光っていた 健の指にもキラキラ指輪が輝いていた 康太の指にもキラキラ指輪が輝いていた しかも全員薬指…… 「先輩!僕の事忘れてませんか?」 頼斗は情けなく叫んだ 康太は頼斗を見た 「………またキラキラ眩しい奴だな…」 「うちの事務所のモデルです」 「あ!隼人が言っていたスーパーモデルだ!」 「そうです!」 「カミューラ.ジャスティンとの専属結んだ……んだっけ?」 「はい!小鳥遊の夢がやっと叶いました」 「………電気代節約出来そうな奴だな……」 康太が呟くと譲は 「いえ、キラキラでは本当に電気代の節約は出来ません…… 本当に放電出来たら良いんだけどな……」 とボヤいた 康太と健は爆笑した 西園寺は譲に 「今度、発掘調査とか見せて貰って良いかな?」と尋ねた 「はい!何時でも言ってください って言っても毎日調査が在る訳じゃないので……希望に添えるか解りませんが……」 健が西園寺に代わり 「考古学の話を書いてるんだ一臣は! 協力して貰えたら嬉しいんだけど…」 「はい!斉賀教授には言っておきます!」 ニコニコと話してると、頼斗は不安になり譲を抱き締めた 「頼斗、苦しいってば……」 「先輩!……ねぇ僕を見てますか?」 「見てるから放せ……」 「嫌です!先輩……」 「………すみません……オブジェだと想って下さい」 と謝った 康太は「……何時もこうなのかよ?」と問い掛けた 「大学2年の時に出逢って……以来ずっとこうです……」 健は「………うわぁ……暑苦しい……」と呟いた 西園寺も「………上には上がいた……」と笑った 榊原も「………僕より凄いですねぇ晟雅」と言った 神野は「……伊織よりも……数段暑苦しい……」とボヤいた 「でも譲がいないと感情も表情も人間も辞めてしまう奴ですからね…… まだ人間らしい今の方がマシです」 「………ほほう……伊織と一緒か……」 「顔が綺麗な分、無表情になると……人形よりも人形らしい……」 「………世界中の賞賛よりたった一人の言葉で生きているのか…… コイツはまだまだ世界を魅了するだろうな」 「………それ、頼斗の未来ですか?」 「そうだ……小鳥遊はとんでもないのを育てようとしたんだな…… 怪物だよ……欲しいままに名声を手に入れるのに…… コイツの欲しいのは唯一人…… 誰のモノにもならない……望まれても請われても……誰のモノにもならない だから見たいと想うんだろうな……」 神野は何も言わずに康太の話を聞いていた 脇坂は盛り上がる会話には着いては行けなかったが…… やはり少しは仕事しとこう……と頼斗に話しかけた 「香椎頼斗さん」 「……はい!」 「うちの出版社から写真集、出してくれませんか?」 「………それは小鳥遊に聞いてみて下さい…」 頼斗は乗り気ではなかった 脇坂は手法を変えた 「譲さん」 「はい!」 「また声優さんの本を出したらサイン貰ってプレゼントします!」 「それは、頼斗に頑張って貰わないとな……」 と呟いた ニコッと可愛く笑うと頼斗はギューギュー譲を抱き締めた 「ライトぉ….お前、写真集、出してなかったよな?」 「見たいの?譲?」 「写真集出したら何時でもお前が見れるじゃねぇか!」 頼斗は脇坂の手を取った 「出します!」 脇坂は何というキャッシュな奴よ? と思ったが……素直で単純な性格に親近感を抱いた 「先輩!僕の写真集大切にしてくれますか?」 「する!色んなお前が見たいな」 「先輩!僕、頑張ります!」 「脇坂さん、これで良いですか?」 「最高です!」 「最高に滾るヤツを撮って下さい」 「では後は神野さんとスケジュールの調整と、行きましょうか?」 「………上手いなぁ脇坂は……」 神野はボヤいた 康太は健と譲を誘って、食事に行こうと約束した 康太と譲と健は連絡先を交換した 「一晩中語り明かすなら、飛鳥井に来いよ!」 康太は健と譲を誘った 二人は飛鳥井に行く約束を取り交わした 同じ趣味持つもの同士の顔合わせは終わった 譲は頼斗を貼り付けたまま、帰って行った 神野は脇坂とスケジュール調整を始め 健は仕事へ 西園寺は健と共に編集部へと行った 康太は榊原と共に飛鳥井の家に還って行った 康太は「………伊織より凄かったな」と笑った 榊原は「………本当に強烈な子でしたね」と呟いた 康太はワクワク楽しい気分だった

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