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第107話 卒業狂想曲 ①

※この話は悠太が怪我してすぐの頃の話です なので康太は撃たれてないし元気状態の時ほお話です 悠太の代わりに卒業式をやってやると言った卒業式なのです 悠太が葛西と共に取り仕切る筈だった卒業式を康太は取り切ってやると約束した だから康太は榊原と一生、聡一郎、隼人、慎一を連れて桜林学園の生徒会室を陣取っていた 戸浪万里は大喜びだった 飛鳥井康太が桜林にいると聞きつけてやって来た藤森や清家も顔を出していた 兵藤がふて腐れた顔して生徒会の円卓の中央に足を組んで座っていた 学生時代、常に立っていた桜林学園生徒会長の椅子だった 「貴史、ふて腐れた顔すんな!」 「………あんで……俺が……生徒会長なんだよ?」 「不在だもんよー 伊織には悠太の代役をやらせるかんな!」 「………お前が生徒会長やれよ!」 兵藤が言うと康太は榊原に抱き着いた 「……オレは……四悪童……生徒会長になんかなれねぇって……知ってて貴史は意地悪言う……」 半ば……泣き脅し…… 康太が泣くと清家が乗り出して 「兵藤会長、康太を泣かせたら我等を敵に回すと想うがよい!」 と、じとーっと睨んだ 「………100歩譲って……生徒会長はやるさ! やってもいい!でもな!………… あんで俺が桜林の制服に身を纏わねばならねぇんだよ!」 「私服でウロウロしたら示しがつかねぇだろ?」 「………それって……学園長……了承済み?」 「そう!四季は興奮してたな」 康太も桜林の制服を着ていた 聡一郎も隼人も一生も慎一も制服に身を包んでいた 清家も藤森もノリノリで制服を着ていた 「………ならポジションは在学当時と同じで良いな!」 藤森は「兵藤会長、また貴方の下に付けれて至極光栄です!」と改まった 「……俺は……桜林の制服は悠太にやろうと思ってたんだよ 1枚は残して、もう1枚は悠太にやるつもりで出してた……それを着ようとはな……」 「似合ってるやんか! 伝説の生徒会長 兵藤貴史…… 今年の卒業生はある意味ラッキーだったみてぇだな……」 「……それを言うなら……伝説の四悪童を見てぇって奴もいるだろ?」 「……それはいねぇだろ? 伝説の執行部 部長もいるしな……」 康太はうっとりと榊原を見た 榊原は康太を引き寄せて抱き締めた 「……イチャイチャすんじゃねぇ! 準備に5日間しかねぇんだぜ!」 「準備に5日間あれば楽勝だって……在学当時なら言うけどな?」 「今でも言ってやるよ! 5日間寝かせるかよ!」 「………貴史のスケベ……」 「……なっ……もうお前は黙ってろ! サクサク行くぜ!良いか野郎ども!」 体育館に【おー!】と言う声が響き渡った 康太は「懐かしいな」と呟いた 兵藤は「じゃぁ、プログラム立てるとすっか!」とシャープペンの頭を囓った 「今年卒業する学年って生徒が極端に少ねぇんだよ」 康太が言うと兵藤は、え?と言う顔をした 「オレ達の卒業の時はAからDまであったろ? 今年の卒業生のクラスはCまでだ しかも一クラス30人行くか行かないかだ」 「………めちゃくそ少なくねぇか?」 「………まぁ桜林なんか金のかかる学校に行かせられない………程に不景気なんだろうな」 「………あぁ……そう言う事ね……」 「四季も学費を値下げしたり、入学金を安くしたり奨学金枠を増やしてるんだけどな 年々……桜林に入る生徒は減少してる 桜林の姉妹校 桜丘高校の方は定員割れするのに……流石と厳しいって訳だ」 「………お前、詳しいな」 「おー!経営指南してるかんな! 飛鳥井家真贋のお得意様の一人だ」 「生徒の人数が少ないなら、それを生かしてやるしかねぇだろ?」 「そう!2部にしなくても時間は余裕という事だ!」 「生徒代表……誰がやるんだ?」 「………葛西だろうけど……葛西は無理だな 悠太……頑張れば出られねぇかな?」 「………無茶言うな!歩けねぇだろうが……」 「………そうか……だからオレ等が変わりに出てるんだったな」 康太はそう言いガハハッと笑った 戸浪万里は「生徒代表、兵藤会長と康太さんがやられたらどうですか?」 「…………オレ等は卒業生じゃねぇぞ?」 「それでも……伝説の生徒会……と謂われた方々じゃないですか…… 在校生は口々に言いますよ? 兵藤貴史と飛鳥井康太がいたからこそ……奇跡を目の前で見れた……って…… 葛西会長と悠太部長では役不足とは言いませんが……それでも……見たいと想ってしまうんです……」 康太と兵藤は顔を見合わせた 顔を見合わせたら……やるしかない 兵藤は康太を指差して 「………お前の家は建築屋で」 康太も兵藤を指差して 「お前の家は政治屋だ!」 兵藤は笑っていた 「俺達は、オギャーと生まれた時から」 「友達で、死ぬまで腐れ縁だ」 言い終わると合図みたいにパシンッと互いの手を叩いた 「って事で、やるか?康太?」 「やるしかねぇだろ?貴史!」 そう言うと兵藤は立ち上がった 「まずは学園を卒業の色に染めるか?」 「お!それ良いな! んじゃ職員室まで行って印刷するか?」 「だな!行くか康太!」 「だな!」 康太も立ち上がり……二人で走り始めた 榊原も立ち上がり「廊下は走るんじゃありません!」と叫んだ すると歩いていた生徒が立ち止まった 「………本当に……悪ガキなんですから……」 榊原が言うと一生が 「旦那……あの二人は生まれた時からの腐れ縁だ……諦めろ……」 「それでも規律を守らないのは許せないんです!」 榊原の言いぐさに一生は笑った 聡一郎が榊原の背中を押した 隼人も榊原の手を引っ張った 「放っておくと二人して悪のりするのだ」 隼人が言うと榊原も歩き出した 早足で決して走らない所が笑えた 「伊織……懐かしいのだ……」 隼人は目を細めて…懐かしそうに言った 「隼人、悪ガキを止めに行きますよ!」 そう言うと隼人と共に早足で歩いた 清家は一生の横に立った 「………死にそうに……辛い事があった……」 「………お前の親父さんが……亡くなった事か?」 「………それも哀しいが……跡目争いだ……」 「襲名披露……争いだっけ?」 「………何もいらない……総てが煩わしかった……」 「康太が少し前に……泉堂高昌に逢ってたな それとなんか関係あるのか?」 「………え……それは本当か?…………」 「あぁ、席を設けたのは慎一だ」 清家は慎一を見た 慎一はその視線を受けて 「泉堂高昌……泉堂の名跡と逢われてました…… 泉堂は貴方の屋号の名跡ですよね?」 「………我が父の兄にあたる人だ……康太が何故?」 「それは知りません 康太は人払いして逢ってましたから…… 俺達には計り知りません」 一生は「………で、襲名披露はカタ着いたのかよ?」と問い掛けた 「………泉堂高昌が跡目は……僕に継げと……謂われ……それで幕を閉じた…… 泉堂高昌に謂われたら……聞くしかないからな……」 「なら……それがお前の運命なんだろ? お前は歌舞伎を変える一員になると謂ってるからな……」 「………僕は……父の子ではない…… 母が……誰とも解らぬ子を妊娠して…出産したんだ……」 「それ違うぞ……お前は親父さんの子だ! 誰が言ったが知らねぇが……結婚に反対され 一度は別れて未婚のまま子を産んだ だが別れられなくて籍を入れた だからお前は養子になってるが実子だ」 「………それ………僕は知りません……」 「………康太が……お前に教えろと……教えたのだからな当事者と関係者しか知らねぇ事だろ?」 「…………康太は……視えていたというの?」 「どうだろ? ……でも康太だからな不思議じゃねぇだろ? お前が挫けそうにならなかったら…… 総て闇に葬るつもりだった………」 「……今回の……襲名披露争い…… 総て納めたのは……」 「飛鳥井家の真贋……だろうな……」 「………僕は……跡目なんて要らなかった…」 「天性だと康太は言ってた 他の事など出来ない位、清家は演じるしか出来ねぇ……って言ってた……」 「……泣きたくなっちゃうじゃないか……」 清家は……慎一に抱き着いた そして泣いた 一生は「あんで慎一だよ?」と問い掛けた 「お前の恋人に悪いからだ」 清家はそう言い笑った スッキリした笑顔だった 「さてと、悪ガキを見て来ないと!」 清家はそう言い走った 一生と慎一が後を追った 職員室に行くと佐野が康太に抱き着いていた 「康太!」 「彦ちゃん、生徒たちに秘密裏に進めてぇからな……目立ちたくねぇんだよ?」 「………それは無理だろ? お前の姿を見れば……誰もが声をかけずにはいられない……」 「貴史はどうなんだよ? 桜林によく来てるじゃねぇかよ?」 「兵藤はお前がいなくば誰も寄せ付けぬ鉄壁の近寄るなオーラを出すからな…… 誰も近づけないだろ?」 「何だ?それは?」 「兵藤貴史はお前にしか靡かぬ花なんだよ」 「………んとによぉ?あんだよそれは?」 康太は笑い飛ばした 「そうだ!彦ちゃん 伝令を頼む」 「あぁ、頼まれるぞ!何だ?」 「学園を卒業式色に染める」 「お前達が卒業して行った翌年から、校門ゲートや体育館を卒業式色に染めてたな……」 「今年もやんだよ!」 「なら康太、秘密裏に動くんじゃなくお前が先導して動けよ そしたら皆必死に後を着いてくるからさ」 「………悠太の代打だからな……」 「悠太……どうなんだ?」 「………彦ちゃん……悠太……学校に戻れるか……解らねぇんだよ…… 戻れたとしても…何時まで…その生活が出来るか……解らねぇ…… 悠太は成長と共に骨に爆弾を抱えた様なモノだからな‥‥」 「瑛太と康太の弟だからな、驚異的な回復力見せてくれる事を‥‥俺は祈る」 佐野はそう言い笑った 「それよりも、卒業式カラーに染めねぇとな! 康太、お前、兵藤を連れて放送室に行って宣伝してこい!」 「………んとに大々的にやれってか?」 「当たり前だろ? 在校生は悠太の不在に感謝するかもな」 「…………彦ちゃん……」 「怪我の功名だろ? 悠太は兵藤や榊原程じゃねぇけど、信頼厚い執行部の部長だ その人気は揺るぎやしねぇよ! 少しお前達より見劣りするのは仕方がねぇ…… でもちゃんと悠太を頼りにしてる いなきゃ困るんだ! だから悔しがらせてやれよ!」 佐野はそう言い笑った 「なら放送室ジャックして来る! 皆、放送室に行くもんよー!」 康太は職員室を後にして放送室へと急いだ 康太と兵藤はついつい走るから…… 「廊下は走るんじゃありません!」 と榊原は怒った 康太は兵藤の背によじ登った 「………おめぇ……高校時代もそうやって人の背によじ登ったよな?」 「貴史、二人して走ると怒られる! オレを背負って走りやがれ!」 兵藤は仕方なく康太を背負って走りだした 「背中に乗っても走るのは駄目です!」 榊原は怒ったが……気にせず兵藤は 突っ走った 一生は笑って 「高校時代もそうやって怒ってたな」と言った 「一生、悪ガキを野放しにしておくと、とんでもない事態になります 尻拭いは僕たちがするのですよ?」 「………それは大変嫌だ……」 一生はそう言い走ろうとして…… 榊原を見て早足で歩くことにした 一足遅れて放送室へとゆくと、康太と兵藤は部員にお茶を出してもらって寛いでいた 「康太……」 榊原が呼ぶと康太はニカッと笑った 「放送部の奴等が放送してくれると言うからな、これからオンエアに入る ついでにテレビで流してやろうと言うかんな! 全員で映ってやろうぜ!」 康太はそう言い榊原が椅子に座ると、榊原の膝の上に座った 「………榊原部長が……恋人に甘いって都市伝説じゃなかったんだ……」 と部員は呟いた 康太は榊原の顔を見た 「………都市伝説……それは何よ?」 「………知りません……」 榊原はキッパリ言って部員をギロッと見た 部員は……チビりそうになった…… 甘くなかったのですね……執行部 部長ぉ~ 背中に冷や汗を感じていた… 兵藤は「おい!始めるぞ!遊びに来てる訳じゃねぇんだからな!」と檄を飛ばした 康太は榊原の膝の上から下りて 「お!やろうぜ!貴史!」と気合いを入れた 放送部員がマイクをオンにした 機材もオンにして「これで流れます!喋って下さい」とマイクを渡した 兵藤はマイクを貰い 「聞け!」とマイクに向かって叫んだ 放送部員も規律するほどの声だった 「これより桜林学園は卒業一色になる! 学園を卒業カラーに飾ってくれ!」 兵藤はそう言いマイクを康太に渡した 「忘れられねぇ卒業式をやろうぜ!」 康太はマイクを榊原に渡した 「生徒会長と執行部部長が不在の今 OBの我等がサポートをする! 卒業生を皆で見送りましょう!」 榊原はそう言いマイクを清家に渡した 「我等は卒業式当日までサポートに入る! だから学園中で作り上げて欲しいと想っている」 清家はマイクを藤森に渡した 「伝説の生徒会長と執行部部長……そして四悪童のサポートで卒業出来るなんて…… 僕も羨ましく想います 皆が忘れられない卒業式にしましょう!」 と言いマイクを兵藤に渡した 「と言う事だ! 皆 聞いてるか?」 兵藤が言うと校庭から【聞いてるぞぉ~】と言う声が響いた 「では5日間、宜しく!以上!」 兵藤はマイクを放送部員に返した 「現生徒会と合流してスケジュールを練るぞ!」 兵藤がそう言うと、皆で体育館まで移動した 放送部員は感激して泣いていた 「………凄いな……偶然だけど……見れた……」 口々に感激の言葉を述べた 兵藤達は体育館へと戻った 体育館には物凄い数の生徒が集まって来ていた 「明日、各々リボンを持って来る様に伝令しとけ!」 兵藤は現生徒会に指示を出した スケジュールを念密に打ち合わせ インパクト欠けると…… 「どうするよ?」と康太に案を求めた 「やっぱし卒業式のカタチをぶっ壊さねぇとな!」 「だよな?で、案はあるのかよ?」 「今年は何で既存の贈答式しかしねぇんだよ? 自分達で残そうって気がねぇのかよ?」 康太が言うと現生徒会が 「………後5日しかありません……」と尻込みした言葉を放った 「5日もあれば万々歳だろ?」 康太の言葉に兵藤は笑った 「だな、5日もあるんだからな!」 「ならオブジェぶちかますか?」 「オブジェ……どんな?」 「卒業生全員で写ってクリスタルに入れるとか? 水族館とかで使うアクリルパネルの中にいれて三年の廊下とかに飾るとか?」 「それ良いな!それなら5日で何とかなりそうだな!」 兵藤が言うと慎一が 「アクリルパネル扱う工場に聞いてみます」 と言うと藤森が 「僕の叔父が水族館を経営してます そっちの方から動いて貰えないか聞いてみる」 と言い、体育館の外に走った 慎一は「なら写真……か……」と呟いた 隼人が「写真なら神野に頼めば何とかならないか?聞いてみるのだ」と言い体育館の外に走った 兵藤は「守備は上場じゃねぇかよ!」と嗤った プログラムを緻密に組み込み、式で流れる曲の選曲候補をだして、その日は終わる事に決めた 隼人が「カメラマンを貸して貰えるのだ」と息を切らして走って来た 藤森も「アクリルパネル、何とか調達出来そうです!」と駆け込み その日の打ち合わせは終了した 康太は兵藤と共に帰宅の途に着いた 「貴史、飯食って行くか?」 「おー!助かる」 帰ろうとすると清家が「康太、話がある」と呼び止めた 「静流、おめぇも飯、食おうぜ!」 そう言い榊原の手を握って、榊原を見て笑った 飛鳥井の家に皆で帰ると、瑛太が玄関にいた 「瑛兄、何処へ行くんだよ?」 「康太、何処に行ってたんですか?」 「オレは桜林に行っていた」 「私は恩師の葬儀に行きます……」 「瑛兄、マックを連れて歩けよ!」 康太が言うと影の様に康太の傍にいたニック・マクガイヤーが瑛太の傍に寄った 「………康太、逝ってきます」 康太のつむじにキスを落とすと瑛太は出かけた 「………飛鳥井が標的なのは変わらねぇかんな……」 「……ですね……子供達も預けましたからね…」 榊原が言うと兵藤が 「………犯人は見つからねぇのかよ?」と心配した顔で問い掛けた 「………犯人は見付かったとしても……操られてるからな…… 本当の解決になんてならねぇよ……」 康太はそう言うと応接間へと入って行った 清家は康太がソファーに座ると…… 「………康太……僕の襲名披露が正式に決定した……」 「そうか……おめでとう  披露には見に行かさせて貰うな」 「………君……動いたのですか?」 「何の事だよ?」 「泉堂高昌を動かせる人間なんて……早々いない……」 「清家静明は……誰よりも 流水を愛していた だが……家の為だと別れさせられ……結婚させられた その時に出来たのが……清家秋津 だが……静明は秋津の母親を愛せなかった 離婚する時の条件が秋津を跡目として扱う事…… だが静明は静流、おめぇが跡目だと心血注いで育てていた 自分の命が長くないと解ると静明は清家仁左衛門のツテを借りて飛鳥井家真贋に逢いに来た 依頼は清家静流の襲名披露をさせてくれ……と言う事だった オレは諾(だく)と言った…… だが……静明の死後……醜い跡目争いが勃発した 本人達を置き去りにして…… 周りが躍起になっていた 仁左衛門も泉堂高昌も……総てを飛鳥井家真贋に託した 秋津は襲名披露なんて望んでねぇかんな…… おめぇ秋津と話をしてみろよ アイツはお前が想ってる様な奴じゃない 誰よりもおめぇを守ろうとしたのは秋津だ なんたって飛鳥井康太の駒だからな!秋津は…」 ………え………清家は驚愕の瞳を康太に向けた 「清家、おめぇは名跡を手にしたも同然 これからおめぇは大変な修羅の道を逝かねばならねぇ…… だからな……共に逝く奴を身近に着けとけ 秋津にしても泉堂高昌にしても仁左衛門にしても、おめぇの事を心配してるんだぜ?」 「………嘘みたいな話です…… 秋津には好かれてる気がしません……」 「おめぇ……秋津の瞳を見て話した事があるのかよ?」 「…………ないです……」 「なら目を見て話せよ そしたら総てが解る! 話は終わりだ!食うもんよー」 康太は榊原に抱き着くと、榊原は康太を抱き締めたまま立ち上がった そしてキッチンに向かった 清家は……何が起こったか……解らなかった 兵藤は清家の手を引くと 「明日もハードだ 飯食って飛鳥井の客間を占拠するぜ!」 兵藤は笑っていた 隼人は「なら雑魚寝するのだ」と兵藤に抱き着いた 「おっ!それ良いな隼人!」 すっかり飛鳥井の子になってる兵藤だった 皆で食事をして客間で雑魚寝した 翌日、清家は聡一郎のワイシャツと下着を借りて学園に向かった 卒業式 当日まで後5日 翌日も朝から夜遅くまで卒業式の準備に掛かりきりとなった オブジェの制作も始まった 皆して写真を撮った後 アクリルパネルの制作も自分達でやる事になった 業者の人に作り方を聞いて、総て自分達で制作していく 卒業生も在校生も皆総出で作業をしていた 卒業式のカラーにする為に皆 テープを持ち寄り飾った 自主的に皆がやり始めた 佐野はその光景を学園長の神楽四季と見ていた 「………学園長……卒業生も在校生も…皆総出で作業をしてますな……」 「不平不満言う奴も出る事なく率先して作業に協力してますね 流石……兵藤貴史、榊原伊織、飛鳥井康太……の威力ですね」 「憧れるべき存在……だからな…… 未だに……語られる伝説の生徒会長、執行部部長、そして四悪童……だからな」 「………本当に久々の活気です……」 「………俺は……康太の子供達が伝説を作るのを見届けたい……と想ってる」 「私も……見届けます 音弥は……成人したらこの学園の理事に名を連ね……将来は学園長になる子ですからね 今年の卒業式は……忘れられない日になりますね……」 「………だな……」 学園長と佐野は楽しそうに生徒達を見ていた アクリルパネルは型に流し込み 乾かした 写真も何ショットか撮り、アクリルパネルに入れるのを決めた オブジェの準備は刻々と完成に向かう この日はこれで終了となった 康太達は家へと帰った 兵藤と清家は家へと帰って行った 卒業式当日まで後4日 この日は朝から卒業式の予行演習となった 実際にピアノを弾いて、本番さながらの動きをする 予行演習には全校生徒が集まった 「おい……おめぇら授業はどうしたよ?」 流石に兵藤は生徒に問い掛けた 「全校生徒は卒業式の手伝いをしたければ申し出れば授業の一環として出てもいいと言われました!」 「………太っ腹……」兵藤は呟いた 全校生徒を動かして卒業式本番さながらのリハーサルをする 「来賓のお言葉なんて眠くなるだけだよな?」 兵藤は康太に問い掛けた 「だな、お言葉は入場入り口に貼れば良いやん」 「だな、そうするか! なら卒業生全員で何か在校生に贈るか」 「だな、一人ずつ言いたい言葉に集めるか?」 「それが良いな 現生徒会、卒業生に在校生に遺す言葉を書かせろ! それをゲラ刷りして暗記だ! 全部で何分掛かるか計らねぇとな」 「だな、短い言葉で自分の言葉を書いてくれ!」 そう言うと現生徒会は紙を取りに行き、卒業生に渡した 卒業生に書かせてゲラ刷りして、この日は終わりを迎えた 卒業式当日まで後3日 翌日は朝から卒業生の言葉をゲラ刷りしたのを渡した 自分の所に名前を打って一人ずつ言う 兵藤はストップウォッチを持って時間を計っていた 「ストップ!」 兵藤が言うと全員黙った 兵藤は時間を記入してトータルした卒業式のスケジュールに所要時間を書いて計算した 「……かなり食うな……」 「4時間はかかる卒業式で良いやん 午前中掛かっても大丈夫だろ?」 「………大丈夫か?」 「気にするな貴史! 一辺通りの卒業式なんかしたって想い出にも遺らねぇよ! それよりも自分達の卒業式をやる! それが悠太や葛西もやりたがった卒業式だとオレは想う」 「なら、これでやるしかねぇな!」 「今日は卒業生を完璧にして、明日、総リハーサルするしかねぇやん」 「………だな……準備に5日……結構キツいな…」 「余裕のよっちゃんだって言え貴史!」 「余裕のよっちゃんだよ!この野郎!」 兵藤はヤケクソだった その日は遅くまでリハーサルをして終えた 外は真っ暗になっていた 「………貴史、飯食ってくか?」 「俺は今日は親父の後援会の方と食事だ…… また誘ってくれ! 本当は行きたくねぇけどな……」 兵藤は家へと急いで帰って行った 卒業式本番まで後2日 この日は全校生徒を体育館に集めて、総リハーサルをやった 兵藤がカウントを取る 全校生徒が、その指示で動く この日は教師も出て来て、卒業証書授与式の時読み上げる名前を本番と同じように読み上げた 卒業生からのメッセージ 卒業生全員で在校生や恩師へ向けて言葉を連ねた そして卒業生はアクリルパネルの写真を全員で手にして、開け放たれた扉から出て行った 在校生は手にした花を卒業生が通りゆく通路で舞いあげた 降りゆく花の中を卒業生は通って、アクリルパネルを自分達の校舎の廊下に飾る 在校生の歌が響き渡り…… 本番さながらの卒業式に泣く子も出ていた 兵藤はマイクを使って 「卒業生、体育館に戻って下さい!」 と指示を出した 兵藤は康太達とステージの上のいた マイクを持つと兵藤は 「卒業して逝く皆さん、卒業おめでとうございます 君達の卒業式は葛西繁樹、飛鳥井悠太が行う筈でした ニュースを見ている方は既にご存知の事と想いますが、二人は生死の境にいました 今も二人はベッドの上です 卒業生の皆さんを送れなくて一番残念に想ってるのは彼らです 俺は親友である飛鳥井康太の為だけに、此処にいます 清家や藤森……卒業した生徒会役員達は……皆 飛鳥井康太の意思の元に集まりました! 君達も友のために動ける男になれ! 誰かのために動ける男になって下さい!」 兵藤はマイクを康太に渡した 「悠太や葛西はオレに総てを託しました オレは精一杯の想いに応えて、今皆の前に立ってます 最高の卒業式にしようぜ! 年を食ってもあの日の卒業式は良かった そう言える卒業式にしようぜ! 皆で一つのモノを作り上げる 作り上げたから、最高の日が迎えられるんだ! 皆、忘れるなよ!」 康太は榊原にマイクを渡した 「卒業おめでとう 君達は僕達が卒業する年に入学した生徒達ですね 少なからず共に過ごし君達の卒業式を行えれて本当に感無量です 胸に刻まれる卒業式にしましよう!」 榊原はマイクを清家に渡した 「卒業おめでとう 僕は……また皆と卒業式と言う人生のスタートに関われて本当に感激してます 忘れられない卒業式にしましよう! 僕は……自分達の卒業式は忘れられません 奇跡の世代と言われた時代に生まれて光栄だと今も想ってます 君達も自分達の時代を作って卒業する 胸を張れ! 桜林の生徒の誇りを忘れるな!」 清家はそう言い藤森にマイクを渡した 藤森は何も言わず…… 兵藤にマイクを渡した 藤森は泣いていた 胸に刻む日々は確かにあった それを思い出して……涙していた 兵藤はマイクを持つと 「解散!明日、皆頑張ろうな!」と言い現生徒会にマイクを渡した そして康太と共に体育館を後にした 兵藤は「明日だな……」と呟いた 「あぁ……明日だな…… 明日までは制服、着とこうぜ!」 笑っていった 「戦闘服だったんだけどな……」 「あぁ……闘う為に着てたな…… でも今も闘いは終わらねぇぜ? 制服からスーツに変わっただけだ……」 「………そうだけどな…… 高校時代しか着れねぇ戦闘服だからな…… もう一度着れるなんて想わなかっただけだ…」 「もう着れねぇさ………」 「………だろうな…… なら卒業生終わったら記念に遺しとく?」 「だな!遺しとこうぜ!」 そう言い帰ろうとすると康太達を、現生徒会役員達は呼び止めた 「あの!この後お時間ありますか?」 戸浪万里はそう言い呼び止めた 兵藤は振り返り 「お!ナンパか?」と茶化した 「康太さん、お時間あれば現役員達とお茶でもしませんか?」 あからさまにスルーされ兵藤は「おい!」と怒った 康太は笑って「何処でお茶すんだよ?」と問い掛けた 「学園長が温室でお茶でもと呼んでます」 兵藤は「温室?」と不思議そうに首を傾げた 「この学園に温室なんてあったのかよ?」まで言った 「あんだよ!学園長の温室が」 康太は笑いながら歩き出した 「お前知ってるの?」 「おう!四季とは何時もお茶してたかんな」 兵藤は榊原をみて「知ってるのか?お前も?」と問い掛けた 「………僕は知りません…… 学園にいた頃は康太を探し回ってたじゃないですか!」 榊原は何時も康太のクラスを見て、いないと探し回っていた 康太は「ほんの一部の人間しか出入りできねぇよ」と言った 康太はスタスタ歩いて学園の奥の方へ向かった 榊原も兵藤も……清家も多分学園にいた人間は……行かない場所だった 中等部の橋の近くにある立派な温室は見た事ならあったが…… 用がないから立ち入りすらしなかった 康太は温室の中へと入って行った すると学園長の神楽四季が康太に飛び付いた 「康太、逢いたかったぞ!」 「全員お茶に誘うとは太っ腹だな」 「来たいからと言って入れる場所ではありませんからね大丈夫です」 温室の中には白い大きなテーブルが置いてあった テーブルの上には紅茶が湯気を立てて並べてあった 康太はティーカップを手にすると、適当に座った 「今日の茶葉は?」 「君がいるからマロウです」 「お!ならスプーンで混ぜると色が変わるな」 角砂糖を一つ入れてスプーンで掻き回すとピンクの紅茶がブルーに変わった 生徒達は「え?魔法?」と驚いていた 康太は榊原に「スプーンにレモンが塗ってあんだよ」と種明かししていた 神楽は「悠太の代わりに卒業式をやられるとは想ってもおりませんでした……」と感慨深そうに話した 「悠太はオレの息子も同然の存在だかんな 卒業式をやれなかった……と泣かれれば兄が出ると言うしかねぇじゃねぇか…」 「………本当に君は……悠太に甘い…… 厳しく千尋の谷から突き落とすかと想えば……傷付いた弟には何処までも優しく…… 総てを擲って……羨ましい限りです」 「アレはオレが育てからな……… 果ては……飛鳥井の為だ……」 「それでも貴方は……逝かれるのですね…」 「それしかねぇからな! オレの果てを歪ませる事は絶対にあってはならねぇかんな! それに……アレは図体はデカいが可愛いオレの弟だかんな」 「君は甘やかしすぎです」 「そうか?」 「そうです!そろそろ弟離れしては如何ですか? そして私ともっと遊びましょう!」 神楽はそう言い笑った 「カタが着いたらお茶に来るかんな その時は美味しいの食わせろ!」 「お待ちしております」 神楽とたわいもない話をして 現役員達と話しをした そして帰宅の途に着いた 帰りの道すがら兵藤は 「おめぇ……あの温室でサボってやがったんだな…」とボヤいた 「彦ちゃんの所や教頭の茶室とかサボる場所は色々とあったんだぜ?」 康太はそう言い笑った 「んとによぉ……おめぇは……」 兵藤がボヤくと 「飯食いに来る?」と誘った 「当たり前やん!」 兵藤はそう言い飛鳥井のキッチンに突入した 桜林の制服のままキッチンを占拠した康太達に……… 玲香や京香、清隆は懐かしく見ていた まるで学園時代が戻って来たみたいだった 玲香は「コスプレとやか?」と康太に尋ねた 「違ぇよ!悠太の代打の卒業式やってんだよ!」 康太はそう答えた 「………悠太の代わり……そうか……それで桜林の制服かえ?」 玲香はやっと納得した 「………康太は悠太には、甘いよな……」 玲香は呟いた 「アレはオレが育てたからな…… 悠太は入学式や卒業式に年の変わらぬオレが行く事を揶揄された時もあった…… でも必ず悠太は言うんだよ 『俺は恥じてなんかいない! 俺は康兄に育てられてるんだから!』って… 胸を張って言うんだよ…… 親の出ねぇ入学式や卒業式は異様だったろうけどな…… それでも悠太は『ありがとうございました!凄く嬉しかった』ってオレに言うんだよ オレの望む果てを逝くと約束してくれた悠太が可愛い…… オレは兄馬鹿だからな! やってやれる事ならあんでもやる」 言葉もなかった…… 悠太はずっと康太を妄信的な愛で慕って来た わざと気付かないフリをして……… 時には悠太を突き放した 悠太のモノにはなれないから……… 悠太を突き放した それでも悠太は今も康太を慕って愛している……… 康太はそれを知って弟の為なら…… 何でもしてやると言う…… 悠太は踏み出さない 康太も超えさせない だから……康太のモノでいられると悠太は必死に期待に応えようとしている …………その兄弟関係が刹那かった…… 兵藤は「卒業式、総てビデオに納めさせる!兵藤の執事にカメラマンを頼んどいたから、それを悠太に見せてやれ!」と笑っていった 兵藤も康太の為ならば…… なんでもする 康太の視る先を逝く そう決めて生きている 慎一は黙々と主の為に動いていた 何も言わずとも康太の望む事をする 食べ終わったら、ほうじ茶を康太の前に置いた 「慎一、白馬の方から上がって来る馬の調整は?」 康太は思い出した様に慎一に問い掛けた 「順調以上の出来だそうです 藍崎太鼓判の馬だそうですよ?」 「なら軌道に乗るか…… 一度見に行かねぇとな…」 「卒業式が終われば……時間は出来ませんか?」 「………多分……ねぇな……」 康太は果てを視て言った 「………オレは……当分……出られねぇかんな 後を頼めるか?慎一?」 「貴方に変わってやるのは容易いですが…… 貴方は目を離すとロクな事をしませんので、離れたくはないのです」 慎一は釘を刺しといた 「………なら目を離すなよ!」 康太はそう言い儚げに笑った 慎一はその笑顔が引っ掛かった 何かをやる…… その予感なら悠太が瀕死の重体になった時から感じていた 桜林の制服を着て穏やかな時間を過ごしていて……… 錯覚していたが…… こうしていても康太は人を動かし…… 情報を操作して、得るべき情報は掴んでいるのだ 慎一は何も言わなかったが…… ひしひしと……感じていた 兵藤は夕飯を食べると家に帰って行った 玲香が「うちの子になればいいのに……」と言うと苦笑して…… 清隆が「………もううちの子にみたいものですよ玲香……」と言われて…… たらーんとなり帰って行った 康太は部屋に戻ると弥勒が姿を現した 『懐かしいな……その制服……』 「で、守備は?」 『………難攻不落の要塞並みに……完璧だと……伝言だ』 「そうか……親父殿はΤάρταρος(タルタロス)を使いこなしてくれたか……」 『今青銅で壁を作っている ポセイドンが造ったと言う青銅……でな』 「なれば……門は鉄壁になれるな…… 何人たりとも近付けぬ畏怖を持たす事が出来る……」 『………本当に……やるのか?』 「……二度と……問い掛けるな!良いな弥勒!」 弥勒はクッ!と息を殺すと…… 『承知した』と言い………消えた 榊原は康太を抱き寄せた 「………君……何か算段……してますか?」 「してる!色々とな策を巡らせ労を働かせ……算段しねぇとな……倍返し……出来ねぇじゃねぇかよ?」 「………僕を………置いて逝くのだけは……止めて下さい!」 「伊織……」 「何ですか?」 「オレは何処へ逝こうとも…… 必ずお前の処へ還る! 魂だけになろうとも……オレはお前の処へ還る! オレの還る場所はお前の胸の中だ! 他になんか逝く気はねぇんだよ!」 康太はそう言い榊原に抱き着いた 榊原は康太を抱き上げると寝室のドアを開けた そして鍵を掛けると、ベッドの上に寝かせた 康太の上に重なり執拗な接吻をすれば…… 引き返す事が難しい体躯になって逝く 榊原は康太の口を味わいながら… 手は制服の中へと忍ばせた 乳首を執拗にこね回され……摘ままれると…… ズボンの中で股間が痛い程になって行った それは榊原も同じで…… 「………伊織……舐めたい……」 「………僕も舐めたいです 明日の本番前に制服を汚せませんし…… 脱ぎましょう」 榊原はベッドから起き上がると制服を脱いだ 康太も制服を脱ぎ、ベッド横の椅子に引っ掛けた 全裸になり抱き合うと……興奮した性器が擦れて……堪らなくなった シックスナインの体位でお互いの性器を舐めた 途中で榊原は康太を上に乗せた 康太に性器をしゃぶらせ…… 榊原は康太のお尻の穴を舐めた 「……あっ……伊織……深い所はダメッ……ぁん…」 康太は腰をよじった それでも榊原は指を増やし、皺を伸ばす様に舌で舐めて、指で掻き回した 「……伊織……ねっ……欲しい……」 康太が求めると榊原は膝の上に乗せた 「開いててあげますから…… 自分で……挿れてみて下さい……」 榊原はそう言い双丘を左右に開いた 康太は榊原の性器を秘孔に当てて…… ゆっくりと腰を落とした 秘孔は喜んで榊原の性器を飲み込んで逝く…… カリの部分さえ飲み込んでしまえば……後は楽だった 榊原の赤黒い肉棒が康太の秘孔に呑み込まれて逝く…… 康太は全部呑み込むと……榊原の胸に顔を埋めて……息を整えた 息を整えると……康太の腸壁が蠢いて……締め付け始めた 搦め取り……わなわなと咀嚼を始めた秘孔はタチが悪い…… 抽挿をしなくても…… 蠢く腸壁にイカされてしまう…… それくらい康太の腸壁は榊原のカタチを覚えてて…… 包み込み……締め付け……蠢いた 康太は少しずつ腰を譲った 「………んっ……気持ちいい……伊織の……物凄く……硬い……」 康太は榊原の首筋を舐めて……耳朶を甘噛みした 「………っ!………本当に君は………」 悪戯っ子なんですから………と榊原は主導権を奪い、抽挿を始めた 康太の体躯が……激しく上下した 康太は仰け反った 仰け反る首筋に……榊原は噛み付き……吸い上げた 首筋に……鎖骨に……乳首に…… イクと一度抜き……背中に内股に…… 全身に愛撫の痕を残し…… 康太を貪った 途中で康太が気絶しても止まれずに… 幾度となく康太の中に射精した 康太も何度もイッて……イケなくなっても感覚だけイッて……… 榊原に翻弄された 気が付くと……湯船の中だった 「オレ……気絶してた?」 「………止まれませんでしたからね……」 「伊織は満足した? こんな気絶ばっかしするのに…… ちゃんと満足したのか?」 「満足してます 君にしか欲しくないんですからね…… 満足するに決まってるでしょ?」 「なら………良かった……」 康太はそう言い儚げに笑った 榊原は最近感じてる不安を消すかの様に… 康太を抱き締めた 「何処か痛い所はないですか?」 「痛くはねぇが……まだ伊織がいるみてぇだな」 と榊原に抱き着き甘えた 康太は体躯中に散らばった痕を指でなぞり…… 腫れ上がった乳首に触れた 「体躯中……伊織のだって印着いてる……」 乳首を触るその仕草に……股間が熱くなった お尻に熱を感じて…… 康太は顔を上げた 「………伊織……」 「今日の君は凶悪過ぎます……」 そう言い榊原は康太の中へ挿入した 膝の上に乗っていたから挿入しやすかったにしても…… こうも一晩に何度もだと……体躯が持たない…… 「……ぁん……待って伊織……あぁっ……ゃ…」 「君が誘ったんですよ?」 「……違っ……あぁん……ソコばっかし嫌っ……」 榊原は康太の弱い所を突いて掻き回した 「……伊織……熱い……」 「………止まれません……イキますっ……」 康太の中で榊原が最大限に膨張すると……… 熱い精液が……康太の好きな場所を刺激して……震えた 「……ゃ……あぁ……お湯が汚れる……っ……」 康太もイッた 汗だくで……湯船ででろーんとなった康太を抱き締めた 「……康太……愛してます こんなに愛して……これ以上愛せないって想うのに…… 次の瞬間……もっと……もっと……愛してるのです……」 「オレもそうだ…… 伊織をめちゃくそ愛してる なのに……もっと……もっと……愛してるって気持ちが深くなって逝くんだよ…… こんなに愛しまくって…どうなるのか怖い時もある……」 「僕達は他には目も向けれないのです…… 互いしか愛せないのです…… もっと……もっと……愛して愛しまくって…… 二人で狂いましょう……」 「それ良いな……オレはもう伊織に狂いまくってる……」 「僕も……亡くせば自分の息の根止める程に…狂いまくってます……」 康太は榊原に甘えた 「伊織……そろそろオレの中から出ねぇか?」 「まだ挿入ってましたね……」 榊原は笑って康太の中から出て行った 康太の体躯を抱き寄せると…… 精液を掻き出して……お風呂から出た 榊原は湯を抜いて…浴室から出ると髪を乾かし、ベッドに入った

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