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第130話 ボスと愉快な仲間達…

ボスが飛鳥井の家に遊びに来た ………違った ボスの飼い主が飛鳥井の家に遊びに来た 一ノ瀬聡哉 一ノ瀬動物病院の若き院長だった 彼の美しさに、聡哉逢いたさに診察に来る客も少なくない…… だが聡哉はそんな客は眼中になく ひたすら隣に建つイタリアンレストランのシェフを愛している 一途な男だった その聡哉が康太の所に遊びに来たのだ コオとイオリはボスの訪問に大喜びだった 一生は裏から兵藤を呼んだ 兵藤は桃太郎を連れて飛鳥井にやって来た 「聡哉、桃太郎だ!」 桃太郎は聡哉の顔をペロペロ舐め回した 「うわっ……凄いな……」 お人好しの顔で喜びを表していた 憎めない顔している 聡哉は桃太郎を撫でて笑った 「この子、イオリの兄弟の子?」 「そうだ!」 「凄い!似てるね!」 一生は想う 大概……シュナウザーは同じような顔だろうが……と。 聡哉は興奮していた 「グレードデンの玉三郎が今日は来れねぇんだよ…… 飼い主が入院してて玉三郎と妻はペットホテルに行ってるんだ 変わりと言っちゃなんだが…… 柴犬を呼んどいた あれ?一夫、茶太郎は?」 康太は栗田に聞いた 「………え?茶太郎、いませんか?」 栗田は瑛太とお茶していた Risataの店長、江口陵二も混ざってお茶をしていた 瑛太は陵二に「ボスは何歳位ですか?」と尋ねた 「ボスは2代目なんですよ 飼い始めて今年で9年目です 人の年に換算すると68位ですか……」 「かなり年食ってますね……」 「はい!うちの母を支えて生きてくれた子です 離婚した母がダメにならなかったのは……ボスがいてくれたから……ですから……」 瑛太はボスとコオとイオリと桃太郎と茶太郎を見ていた 聡哉はカメラを抱えてパシャパシャ写真を撮っていた 「ねぇ康太君、桃ちゃんと茶太郎は写真OKなの? お店に飾っても大丈夫なの?」 康太は兵藤を見た「Risataに飾るんだよな?美緒は興奮する程に喜ぶぜ!」と了承した 康太は栗田と恵太を見た 栗田が「茶太郎を可愛く撮ってくれるのなら……感激です」と答えた ボスが寝そべる横を桃太郎が喜んで飛び回る 『ねぇボス!モフモフの毛、舐めて良い』 『あぁ、好きなだけ舐めて良い』 ボスが言うから桃太郎は跳びあがりボスを舐めた 茶太郎は恐る恐るボスに近付いた 『初めて嗅ぐ臭いの子だな』 ボスは茶太郎のお尻の臭いを嗅いだ コオが『その子はね栗田さんちの茶太郎君だよ!』と教えた イオリが『柴犬と言う種類……だそうです』と説明した ボスは茶太郎の臭いを嗅いで…… 『仔犬の臭いがする』と嬉しそうだった 茶太郎が怯えてキュ~ンと鳴くと、ボスは鳴かなくて大丈夫と良い舐めた すっかり落ち着くと茶太郎はボスの横で丸くなった コオは『ズルい……』とボスの反対側に顔を埋めた イオリもコオの横で丸くなっていた ボスは桃太郎に『おいで!』と言い前足をあげた 桃太郎はボスの胸に飛び込んだ 『ボス……大好きだよ』 桃太郎が言うとボスは嬉しそうだった コオもイオリも『『ボス大好き』』と言った 茶太郎も頑張って『ボキュも!大好き』と伝えた ボスは幸せそうな顔をして… 皆を護る様にして舐めていた 聡哉はそんな五匹を写真に収めた 凄く信頼関係が伝わって来る ボスを大好きだと全身で言ってるみたいで 聡哉は胸が熱くなった 「………ボス……良かったね」 聡哉が言うとボスが『ワン!』と吠えた 聡哉は康太に頭を下げた 「康太君ありがとう」 「あんだよ?聡哉?」 「ボスが凄く幸せそうだから……」 「コオやイオリ、桃太郎や茶太郎も幸せそうだぜ? 時々、こうして連れて来てやれよ そして沢山の写真を遺してやれよ!」 「うん……ありがとう……」 「それより聡哉」 「何?康太君」 「瑛兄や一夫、そして陵二は飲み始めて陽気になってやがる」 言われて見ると陵二はお酒を飲んで陽気に笑っていた 玲香や清隆、真矢や清四朗、美緒も呼んで、とうとう宴会へ突入していた 恵太は聡哉に「………あぁなったら諦めるしかないよ……」と伝えた 「……恵太さん」 「さぁ、聡哉君、僕とお茶しょうよ!」 「良いですね!」 意気投合して、お茶がお酒になり…… 栗田と陵二が気付く頃には…… 酔っぱらいの出来上がりだった 「美味しいね恵太」 「うん!美味しいね聡哉」 「今度さ美味しいお酒のあるお店行かない?」 「うん!行こうよ!」 仲良くベロベロの二人を見ながら… 栗田は「陵二君……ヘベレケの聡哉君を連れ帰れる?」と問い掛けた 「………一夫さんは? ヘベレケの恵太さん連れ帰れますか?」 二人は顔を見合わせた 「「無理そうだね」」 と結論を出して飲み始めた ご機嫌な夜は…… 笑い声が絶えなかった ボスは皆の笑い声を聞きながら眠そうにしていた こんな日も良いものだな そう思い眠りについた

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