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「猫の恋」(7歳と9歳の話)

 日の当たる縁側でおやつを食べながら、目の前に現れた可愛い来客を膝に乗せる。近所で飼われている猫は懐っこくて、姿を見せればかまってしまう。  お茶を持って来てくれた義弟に目線で示せば、彼は頷いて、顎の下を指先で撫で、猫がゴロゴロと喉を鳴らす様子を柔らかい眼差しで眺めた。  しばらくして、にゃあにゃあ鳴きつつ雨戸や板目に身を擦り寄せ、おやつが載った小皿をつつき出した猫に、饅頭に悪戯してはいけないと真顔で諭す義弟が可愛い。  彼を可愛いと思うたび、どうして胸がつまって苦しいのだろうか。 「この子の季節だね」 「え?」  誤魔化すように言うと、虚をつかれたらしい顔に微笑んで答えた。

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