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草摘む(8歳と10歳の話)
家から少し遠い土手で、義弟と一緒につくしを摘んだ。
「これは食べられるから、トミさんへお土産にしよう」
「どうやって食べるんですか?」
「色々あるけど、佃煮が好きだなぁ」
野遊びなら自分の得意分野だから、胸を張って土手を歩いた。これはお茶にできる、あっちは天ぷら。そう教えるたびに感心したように頷く義弟に気を良くして、いつの間にか籠いっぱいに野草を積んでいた。
「摘みすぎちゃった」
トミさん大変かなと目を伏せれば、義弟は「二人で手伝えば大丈夫ですよ」と言ってくれた。
君が弟になってくれてよかった。
そう言うと義弟はそっぽを向いてしまった。耳が赤いのが見えているとは、言わないことにした。
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