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第4話

永見 優side 目を覚ます…。僕の部屋ではないけど見慣れた部屋…。少しの残る腰の鈍痛…。嗚呼、昨日抱かれて気を失ったのか…。減点…、いや、気持ち良くて気を失ったと言ったら加点になる…? 何故か分からないけど、よく気を失う…。セックスの時、いつも上手く呼吸が出来なくなるのだ。動きにくいのは…、八尋が僕に抱きついて寝てるからかな… 「八尋…、水飲みたい……から、離して…」 「んん……、ん、……おはよ。…水?飲む?…あー、待ってて」 「……ありがと…」 カラカラな喉が潤って声がちゃんと出る様になる。八尋に抱きついてみる。特に意味はないけど、甘えてるように見えるかな… 可愛く喘ぐ事は出来ないし、感じ難いからきっとつまらないと思う。それでも捨てられたくないし、愛してほしいから、甘えたフリをする… 「ふふっ、甘えてる?」 「……うん…」 「可愛い」 可愛いって言われた…。嬉しい…。可愛いものは愛してもらえる…。僕も八尋に愛して貰える。嬉しくなってうざかられない程度で、いっぱい抱きついた。好感度上がるかな……加点…? 朝ごはん作らなきゃ…。僕の食べたいものでも許してくれるかな……? 「朝ごはんホットケーキ作っていい?八尋は違うの食べたい?僕作るよ」 「……立てるの?」 「…??……わっ…。立てない…⁇」 「危なかった…。昨日ちょっと無理に抱いちゃったから…。まってて、作ってあげる」 「……ごめんね…。僕、役に立たない…」 そう言うと、抱きしめられて「そんな事ないよ」って言ってくれる…。それでも、やっぱり気になっちゃって…。壁伝いに八尋のところまで歩いた。 「八尋…」 「わっ、歩いて来たの?大丈夫??座ってて」 「……ごめんね、八尋…」 「泣かないで、大丈夫だからね…。そんな事で嫌ったりしないよ…。ほら泣き止んで」 溢れてくる涙を止める事が出来ず、また迷惑かけちゃった…。しっかりしなきゃいけないのに…。今のは減点かな… いつもいつも不安で仕方ない。嫌われる事が怖くて考える。こうしないといけないのに出来ないってなると人の目が怖くなって泣けてくる… 「八尋、ごめんなさい……。嫌わないで…」 「大丈夫だよ…。疲れちゃったね。もう少し寝ようか…」 「……んっ…」 八尋に抱きしめられているうちに眠たくなってしまって……。いつの間にか眠りの中へ落ちていったのだった……。

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