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第一章・6
「いらっしゃいませ」
「あれっ?」
俺と同じ、営業スマイルで出迎えてくれたのは……。
「君、さっき道で会ったよね」
「そうですか?」
「ほら、俺が『こんにちは~』って言ったら、挨拶してくれた」
ああ、とそこでようやく少年は気づいたようだった。
「ここで、バイトしてるの?」
「いえ、父の店なんで。お手伝いしてるんです」
「へぇ~、偉いねぇ」
スタッフは、こっそりカメラを回し始めていた。
どうやら、颯真がノッてきたようだ。
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