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第一章・7

 少年の父であるマスターは、一目で颯真を認識してくれた。 「あ! 五条 颯真さん!」  父の発した言葉に、少年は驚いたようだった。 「え? お客さん、五条 颯真なの?」 「やっと気づいてくれたね~」  颯真は、マスターの出してくれたコーヒーを片手に、苦笑いだ。  すみません、と少年は頭を下げた。 「周りにカメラとかあったんで、有名な人かな、とは思ったんですけど」  まさか、五条 颯真さんだとは気づかなかった、と少年ははにかんだ。

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