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第一章・10
スタジオは、笑いで包まれた。
「俺、こんなに自分を否定されたこと生まれて初めてだよ」
颯真のコメントに、さらに観客は笑う。
司会が、颯真に質問してきた。
「それで、最終的には覚えてもらえたんですか?」
「うん。でも、自信がないんで、これを」
そう言って、颯真は首に巻いたマフラーに触れた。
赤、黄、緑のポップなラスタカラーのマフラーだ。
「記念に、俺のマフラーと交換してもらったんだよ。オンエアの時にこれ付けるから、見てね、って」
「なるほど!」
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