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第一章・25
郁実は、颯真と交換した番号にさっそく連絡を入れた。
「颯真です♪」
「五条さん、あんなに立派なお花。どうもすみません」
「見てくれた? どうだった?」
「すごく、綺麗です」
「嬉しいね」
ようやく、郁実と分かち合える話題ができた!
「あ、父さんに替わります」
「どうも。五条さん、返って気を遣わせてしまって!」
「いいえ。こちらこそ美味しいコーヒーありがとうございました」
「それはそうと、今電話大丈夫なんですか? お車じゃないんですか?」
「スピーカーで流しているので、平気ですよ」
郁実は、父と颯真が大人の会話をしている一部始終を聞いていた。
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