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第二章・4
会話を終えた父から電話を受け取り、郁実は颯真と再び話した。
「ツリーのオーナメント、とっても綺麗です」
「ありがとう。コーディネートしたかいがあったよ」
「これ、五条さんが考えたんですか!?」
「君とお父さんの喫茶店を、素敵に飾ってみたくなってね」
クリスマスには、きっと遊びに行くから。
そう約束し、颯真は電話を切った。
「五条さん、何て?」
「クリスマスに、うちに遊びに来るって!」
親子は二人で喜び、当日のディナーメニューなどを言い合いながら朝食を摂った。
颯真の出現によって、喫茶店が明るくにぎやかになり始めていた。
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