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第二章・5
その日の19時、本当に颯真は喫茶店へやってきた。
「五条さん、この度は本当に……」
「お父さん、堅苦しい話は抜きにして。点灯式、しましょう!」
颯真のカウントダウンで、喫茶店は温かな金色の光に包まれた。
「おぉ~!」
「うわぁ、すごい!」
「あはっ。想像以上に見事だ!」
道行く人が、思わず足を止めて眺めるほど美しい。
では、記念写真をとろう。
そんな颯真は郁実の肩を抱き寄せ、父と自分の間に挟んだ。
「はい、チーズ♪」
スマホの画面で見る写真は、きれいに撮れていた。
「郁実くんのスマホに、転送するよ」
「はい」
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