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第二章・10
郁実は、わくわくして赤い包みを開けた。
何だろう。
柔らかい。
中からは、ネイビーに、ラスタカラーのワンポイントが袖に入ったセーターが出てきた。
「うわぁ! カッコいい!」
「気に入ってくれた?」
五条がデザインした、ソウマブランドのセーターだった。
だが、颯真はそれを郁実に言うのはやめておいた。
俺をもっと深く知れば、いつか気づく日が来る。
その時、郁実くんは何というかな?
颯真は未来の自分へ、そんなプレゼントを渡していた。
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