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第二章・11
「じゃあ、僕から五条さんへクリスマスプレゼントを」
「郁実くんが俺に? 嬉しいね、何だろう」
父さんと一緒に作りました、と渡された包みは、ずしりと重い。
開けて、颯真は歓声を上げた。
「ブランデーケーキだ!」
「五条さんの好物だ、って。ネットで調べました」
ありがとう、と颯真はにこやかに礼を言った。
ファンからの贈り物に、食品も多い。
だが食中毒や、異物混入を恐れて、颯真はそれらをそっと処分していた。
バレンタインデーのチョコレートも、全て破棄していた。
だが、このブランデーケーキだけは食べずにはいられない!
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