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第三章・3

 でも、こういうのも新鮮でイイかも♡    そんな風に、考えていた。  何もかもが、うまく行くと思っていた。  郁実が卒業した暁には、正式に交際を申し込むつもりでいた。  あの、愉快で素敵なお父さんにも了解をいただいて。  そんなことを考えていると、ポケットのスマホが鳴った。 「郁実くんだ!」  彼が、突然電話なんて。  会いたい、とか言ってくれないかな。  そんなことを考えながら、無防備に電話に出た。

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