46 / 142

第三章・5

「ごめん。でも、どうして?」 「2日に、急に倒れて。心筋梗塞でした」  解った、と颯真は早口で言った。 「すぐ行くから。郁実くんは、いつもの喫茶店に居るの?」 「あ、いえ。大丈夫です。颯真さん、お仕事」 「すぐ行くから!」  颯真はマネージャーに、訃報が入った、と簡潔に話して現場を離れた。 「何時に戻れますか!?」 「解んない! 2,3日戻らないかも!」  そんな馬鹿な、と叫ぶマネージャーの声を背中に聞きながら、颯真は大急ぎで車に乗った。  

ともだちにシェアしよう!