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第四章・4

 颯真は驚いたが、冷静になって考えるとそれも当然だろう。  郁実は、もう高校を卒業した。  学生時代に、そういう経験もしただろう。 「うゎ、妬けるな。どんな人だった?」 「明るい人でした」  そこで茶店に着いたので、この話は終わりになった。  しかし、颯真の心の中にはしこりが残った。  セックスとか、したことあるのかな。  郁実が19歳になるまでは、とその身体に触れることを自分自身に封印している颯真だ。  むくむくと、郁実に対する欲求が頭をもたげてきた。

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