74 / 142
第五章・6
「あぁ、はぁ、はぁ。んんぅ」
指を抜き差しさせると、郁実はさらに乱れ始めた。
「いいこと、してあげる」
少し早いかな、とは思ったが、颯真は郁実の腹側に指を押し当てた。
そこは、男の敏感なポイントだ。
「んぁあ! はぁ、あぁあ!」
何度も押し擦り、颯真は郁実の様子を伺った。
眉根を寄せ、一見苦し気に見えるが唇を薄く開けている。
悲鳴には艶やかな色が差しており、嫌がっている風ではない。
「颯真さん、ごめんなさい! 僕、もう、ダメぇッ!」
郁実から、温かな精が溢れた。
颯真はタオルでそれを丁寧に拭き取り、震える少年にキスをした。
「指一本でイッてくれるなんて、男冥利に尽きるよ」
「ごめんなさい……、恥ずかしい……」
ともだちにシェアしよう!