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第五章・12
颯真もまた、郁実の痴態に狂っていた。
控え目で、大人しい郁実くん。
礼儀正しくて、照れ屋の郁実くん。
そんな彼が、『郁実』に変わった途端、思ってもみなかった一面を見せてくれた。
「郁実の内、スゴイよ! もう、俺もイきそうだ!」
「僕も……、またイくッ! 深いの、クるぅうッ!」
颯真は、ついに自分を解放した。
勢いよく、郁実の体内に熱い精をほとばしらせた。
「ふッ、あぁ! あぁああ!」
併せて、郁実の甘い嬌声が上がった。
それを心地よく聴きながら、颯真は長く射精した。
放ち、とどまり、また放つ。
「はぁ、は……。はぁ……」
ぐったりと脱力した郁実からそっと引き抜き、颯真は彼を抱いた。
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