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第六章・2

 店の模様替えは、僕がいつまでも父さんの死を悲しまないようにするため。  父のぬくもりの残る店では、つい涙が出てしまう。  それに、颯真はこんなことを言ってくれた。 『ここはもう、郁実の店なんだ。君の思うままに、好きなように変えていくんだ』  そして、独り立ちを。  マスターを、越えて見せてくれ。  はい、と郁実は深く頷いていた。  父さんの残してくれた、この店。  父さんの名に恥じないような、美味しいコーヒーを淹れるんだ。

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