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第六章・3
皿を磨きながら、決意を新たにしていた。
この皿も、颯真が新調してくれたものだ。
皿だけではない。
コーヒーカップにグラス。ティースプーンにミルクピッチャー。
店のエンブレムまで考えて、入れてくれた。
こうしていると、颯真に見守られている気がする。
(ありがとうございます、颯真さん)
その時、ドアが開いた。
「ここ、この店。すっごくオシャレなんだから!」
「わぁ、ホントだ。すご~い♪」
女性客、3名様。
「いらっしゃいませ」
郁実は、最高の笑顔で出迎えた。
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