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第六章・5
「お待たせしました」
「ありがと♪」
「おいしそう!」
「写真、写真!」
席を去る郁実の背中に、小声が聞こえてきた。
「ね、あの子可愛いよね」
「バイトくんかなぁ?」
「店長、留守なのかな」
(参ったな……)
郁実は、店長ではなくバイトと思われたらしい。
仕方ないか、こないだまで高校生だったんだし。
早く店長の貫録を身につけたい。
早く大人になりたい。
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