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第六章・6

「大人? 郁実はもう、立派な大人じゃないか」 「でも颯真さん、他人から見ればまだ子どもみたいなんです」  またまたぁ~、と颯真はソファから身を乗り出し、郁実の肩に腕を回した。 「俺は子どもには、こんなことしないんだぜ?」  そう囁いて、キスをくれる。 「ん……、っふ」  すぐに舌を絡め、甘い熱いキスをした。  唇を離すと、郁実の息はもう上がっている。 「ん~、やっぱりまだ半分子どもなのかな? キスくらいで、はぁはぁ言ってちゃ」 「……もうっ!」  幸いソファでそのまま……、なんてことにはならず、颯真は郁実の淹れてくれたコーヒーを飲み干した。

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