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第六章・8

「俺が、知り合いにふさわしい人間がいないか聞いてみるよ」 「いいんですか?」 「任せておいて」  近日中に紹介しよう、と颯真は約束してくれた。 「じゃ、お風呂入ろうか」 「颯真さん、先にいいですよ」 「一緒に入ろうよ~♪」 「な、何言ってるんですか!」  照れて真っ赤になる郁実が、可愛くて仕方がない。  颯真はひらりと手を挙げると、バスルームへ向かっていった。 「半分、本気だったのになぁ」  いつか、郁実に背中を流してもらおう。  そんなことを考えながら、颯真は湯を使った。

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