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第六章・12

 郁実は、ぞくぞくと興奮してきた。  いつも颯真がリードしてくれる、二人のセックス。  今夜、初めて僕が……颯真さんを……。 「嫌なら、いいんだ。忘れて」 「いえ、やりたいです。やらせてください」  郁実は身体をずらして、颯真の下肢に顔を近づけた。  逞しい、颯真のペニス。  それに手を添え、そっと口に含んだ。 「んっ……」  小さな郁実の声に、颯真は深い息をついた。 「嬉しいな。郁実が、俺を……」

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